研究代表者氏名及び所属
塩田 邦郎
(東京大学大学院農学生命科学研究科)
研究実施期間
平成16年度~20年度(5年間)
研究の要旨・概要
DNAのメチル化は哺乳類ゲノムDNAにみられる唯一の化学修飾で、メチル化された遺伝子領域は不活性化される。細胞によってメチル化される領域が異なっているが、一旦分化した細胞ではその領域のメチル化は細胞世代を超えて継承される。すなわち、DNAメチル化は細胞の性質を規定する遺伝子発現の記憶装置と考えられる。この、細胞種固有のDNAメチル化パターンの集合を"DNAメチル化プロフィール"と呼ぶ。
本研究では、マウスを中心にDNAメチル化プロフィールとその形成機構を解析し、DNAメチル化プロフィールのデータベースを充実させる。また、応用研究として、発生・細胞分化制御遺伝子探索や体細胞核移植によるクローン胚・細胞・個体のDNAメチル化解析を行い、DNAメチル化プロフィールを指標とした正常性評価系を確立する。
本研究で得られる成果は、家畜繁殖、再生医療、食品安全、環境汚染物質、創薬など様々な応用分野に波及し、多方面展開のポストゲノム基礎研究と位置づけられる。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- ゲノムワイドDNAメチル化領域解析
(国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科 塩田 邦郎) - DNAメチル化制御機構に関する生化学的解析
(国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科 田中 智) - 核移植胚・細胞・個体の評価系確立(国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科 塩田 邦郎)