生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2004年度 採択された研究課題

染色体断片群の導入によるコシヒカリの複数有用形質の同時改良

研究代表者氏名及び所属

石丸 健
石丸 健(農業生物資源研究所)

研究実施期間

平成16年度~18年度(3年間)

研究の趣旨・概要

コシヒカリは、我国においても最も多く栽培されている品種であるが、栽培する上で最大の障害となる倒伏が発生しやすく、また周期的な低温により不稔を生じる割合が高いなど、改良すべき点もある。また、コシヒカリをより美味しくすることは、商業上非常に価値が高い。しかし、通常の交雑育種の方法では、一つの形質を改良するのに10~15年を必要とするために、複数の形質を短期間に改変することは困難である。
本研究では、SNPsマーカー等DNAマーカーを用いて改良すべき遺伝子座を含む染色体断片群を交配により効率的に導入することにより、短期間に収量特性、低温耐性、倒伏耐性並びに食味等の複数の形質を同時に向上させた系統の育成を目指すとともに、導入に用いる遺伝子座の作用メカニズムを遺伝・生理学的に解明する。なお、本研究により確立される染色体断片群の導入による新たな育種手法は、イネのみならず他の作物にも応用が可能であり、多くの植物の育種に貢献することが期待される。

研究項目及び実施体制(()は研究担当者)

  • コシヒカリの特性強化に関する研究
    (独立行政法人農業生物資源研究所 石丸 健)
  • 収量特性、ストレス耐性及び良食味等を決定する機構の解析
    (独立行政法人農業生物資源研究所 石丸 健)

研究のイメージ

染色体断片群の導入によるコシヒカリの複数有用形質の同時改良