生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2005年度 採択された研究課題

麹菌における染色体工学の確立と高機能性麹菌の育種

研究代表者氏名及び所属


小山 泰二
小山 泰二(財団法人野田産業科学研究所)

研究実施期間

平成17年度~21年度(5年間)

研究の趣旨・概要

麹菌は日本の「国菌」とも称され、醤油・味噌・酒など我が国の伝統的醸造産業のみならず、酵素、医薬品、化成品、食品等の産業においても重要な位置を占める産業用微生物である。麹菌の分子生物学的研究を精力的に進めている欧米企業に対して、わが国では産官学連携による麹菌のEST解析、ゲノム解読、DNAマイクロアレイ作製などの新技術開発と知的所有権の確保を通して優位性を確立してきた。これらの優位性を生かして新規事業を創出することは、我が国の生物系特定産業にとって重要な課題である。
本研究は、これまで育種が困難とされてきた麹菌において遺伝子ターゲティング技術を用いて、機能未知である転写制御・調節遺伝子や二次代謝に関連した遺伝子群の機能解析を行うとともに、ターゲティングを応用した大規模染色体加工技術の確立を目指すものである。これにより、それぞれの産業に最適化した、安全で効率のよいオーダーメード麹菌を育種することを可能とし、新規酵素、新規医薬品あるいは高付加価値食品、新規機能性食品等の開発に貢献することを目的とする。

研究項目及び実施体制(()は研究担当者)

  • 染色体加工技術を用いた転写因子の機能解析と高機能性麹菌の作製
    (財団法人野田産業科学研究所 小山泰二)
  • 比較ゲノミクスによる標的遺伝子領域の決定と解析
    (独立行政法人産業技術総合研究所 町田雅之)

研究のイメージ

麹菌における染色体工学の確立と高機能性麹菌の育種