研究代表者氏名及び所属
伏木 亨
(国立大学法人京都大学大学院農学研究科)
研究実施期間
平成17年度~21年度(5年間)
研究の趣旨・概要
油脂は高度のおいしさと満足感を与える重要な食材であるが、カロリーが高く過剰摂取による健康への影響など多くの問題をはらんでいる。低カロリーで満足感のある油脂は健康な社会の食の基盤であるが、その開発は未だ成功していない。
研
究代表者らのこれまでの研究によって、油脂のおいしさと満足感には、口の中で感じられるいわゆる油脂の味情報と食べた後にカロリーとなったことを知らせる
エネルギー情報の2つの信号が必須であることは明らかである。本研究では、味覚とエネルギーの2つの情報を独立して制御する目的で、これらの信号の形態と
伝達機構や脳での情報統合の機構を明らかにし、それぞれの信号について低カロリーの代替物質を探索する。さらに、選抜されたものを組み合わせることによっ
て、新規な高嗜好性・低カロリーの油脂を科学的に設計する。
設計される油脂は消費者が切望する性質を具備するものであり、食品の基本素材として、食品・飼料産業における新規製品の開発や関連産業の創成に寄与するものと期待される。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- 脂肪(油脂)分子の口腔内化学受容メカニズムの解明
(国立大学法人京都大学大学院農学研究科 都築 巧) - 脂肪分子の内臓エネルギー情報の実体ならびに脳への伝達機構の解明
(国立大学法人京都大学大学院農学研究科 伏木 亨) - 脳内での各情報の統合機序ならびに高度な満足感発生機構の解明
(国立大学法人京都大学大学院農学研究科 井上和生) - 脳内における脂肪応答ニューロンの探索
(国立大学法人京都大学大学院農学研究科 井上和生) - 口腔内情報ならびに内臓エネルギー情報を利用した高嗜好性低カロリー油脂の試作ならびに評価
(国立大学法人京都大学大学院農学研究科 伏木 亨)