生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2005年度 採択された研究課題

高温・乾燥等の環境ストレスによる不稔誘発機構の解明とその制御

研究代表者氏名及び所属

川岸 万紀子
川岸 万紀子
(独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構作物研究所)

研究実施期間

平成17年度~19年度(3年間)

研究の趣旨・概要

イネをはじめとする農作物が良好に結実するためには、一定の気候条件が必要である。しかし、現実にはそれぞれの作物に最適の気候条件が毎年実現する ことは望めず、気温や雨量などが最適条件からずれて、収量や品質が低下することがしばしば報告されている。結実に直結する生殖過程は環境条件に最も敏感な 時期であり、不良環境下では不稔が引き起こされる。
本研究では、環境ストレスによる稔性低下の仕組みを遺伝子レベルで解明し、稔性を強化するため の方策を提案することを目的とする。具体的には、正常な生殖反応に働く遺伝子の機能を明らかにするとともに、環境条件によって発現量が大きく増減する生殖 特異的遺伝子を同定し、その遺伝子発現を制御することにより、ストレス条件下でも高い稔性を維持できるイネを開発する。
この遺伝子組換えイネが開発できれば、不稔環境下での不稔発生を低減させ、また、他の農産物への応用も可能となることから、収量・品質の安定・向上につながると期待できる。

研究項目及び実施体制(()は研究担当者)

  • 生殖器官特異的遺伝子の過剰発現・ノックダウン解析
    (独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構作物研究所 川岸万紀子)
  • 環境条件による生殖器官特異的遺伝子の発現変動の解析
    (独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構作物研究所 川岸万紀子)
  • 環境ストレス下でも稔性を保つトランスジェニックイネの開発
    (独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構作物研究所 川岸万紀子)

研究のイメージ

高温・乾燥等の環境ストレスによる不稔誘発機構の解明とその制御