生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2006年度 採択された研究課題

ゲノム情報に基づく麹菌全プロテアーゼの機能解析

研究代表者氏名及び所属

竹内 道雄
竹内 道雄
(国立大学法人東京農工大学 大学院共生科学技術研究院)

研究実施期間

平成18年度~22年度(5年間)

研究の趣旨・概要

清酒、味噌、醤油、甘酒、味醂などのわが国の醗酵食品の製造に1000年以上にわたって用いられている麹菌は、米国 FDAのGRAS(Generally Recognized As Safeの略)生物として認定されるなど、その安全性が広く認められている。醗酵食品には、健康維持に役立つ様々な物質が含まれており、その中の一つが機能性ペプチドである。醗酵食品中の機能性ペプチド生産には、麹菌のプロテアーゼが深く関わっている。昨年、わが国の産官学の研究者によって麹菌ゲノムの解析が行われ、英国の科学雑誌 Nature に掲載された。麹菌ゲノム中には多数のプロテアーゼ遺伝子が存在することも明らかになった。しかし、これらの遺伝子がコードするプロテアーゼのほとんどは、その性質が不明である。
本研究では、麹菌の生産する全てのプロテアーゼの特異性や作用特性などの性質について解析し、一つの生物が生産するプロテアーゼ群の全容(Focused Enzyome)を明らかにする。これにより、機能性ペプチドなどの生産に最適化されたテーラーメード酵素剤を提供することを可能にし、我が国の食品産業の発展に貢献することを目的とする。

研究項目及び実施体制(()は研究担当者)

  • 酸性プロテアーゼ等の解析
    (国立大学法人東京農工大学大学院共生科学技術研究院 竹内道雄)
  • 金属プロテアーゼ等の解析
    (国立大学法人東北大学大学院農学研究科 山形洋平)
  • アミノペプチダーゼ等の解析
    (独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 楠本憲一)
  • セリンプロテアーゼ等の解析と新規プロテアーゼ剤の作製試験
    (天野エンザイム株式会社 岐阜研究所 小出芳直)
  • プロテアーゼ高発現に関する研究及び有用ペプチド製造試験
    (月桂冠株式会社 総合研究所 石田博樹)

研究のイメージ

ゲノム情報に基づく麹菌全プロテアーゼの機能解析