生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2006年度 採択された研究課題

高効率物質生産系宿主としてのカイコのポストゲノム育種

研究代表者氏名及び所属

日下部 宜宏
(国立大学法人九州大学大学院農学研究院)

研究実施期間

平成18年度~22年度(5年間)

研究の趣旨・概要

本研究は、大量飼育が容易な大型昆虫であるカイコを利用して、他の生物では生産できない特異な生理活性を有する毒性タンパク質などを大量生産する方法の確立を目標に、高効率組換えタンパク質生産系として既にスクリーニングしている高組換えタンパク質生産カイコ系統を基本シーズに、高生産に寄与する遺伝子の同定とその利用および、カイコ個体を宿主として用いた組換えAcNPVおよびBmNPV両系による安定的タンパク質大量生産系確立のためのカイコ系統の分子育種を行うものである。
これにより、これまで活性型精製タンパク質が得られないために機能解析、構造解析が不可能であったタンパク質の情報が明らかとなり、病害虫防除、農業生物の新規機能の発見、さらには新たな医薬品や機能性食品、研究試薬、テーラーメイド医療の診断薬等の開発促進に資することを目的とする。
これらの情報が更なる基礎研究の基盤となり、新たなタンパク質の生理機能の発見に繋がると期待される高効率物質生産系宿主としてのカイコ系統の樹立は、地球環境保全や人類の医食生活環境の向上に繋がると期待される。

研究項目及び実施体制(()は研究担当者)

  • 更なるカイコ系統のスクリーニング
    (国立大学法人九州大学大学院農学研究院 日下部宜宏、伴野 豊)
  • 高タンパク質生産能の遺伝様式の解析と当該遺伝子の同定
    (国立大学法人九州大学大学院農学研究院 日下部宜宏、李 在萬)
  • 選抜した系統を基にした更なる系統の改良
    (国立大学法人九州大学大学院農学研究院 日下部宜宏、河口 豊)
  • 組換えタンパク質の網羅的発現
    (国立大学法人九州大学大学院農学研究院 日下部宜宏、飯山和弘)

研究のイメージ

高効率物質生産系宿主としてのカイコのポストゲノム育種