生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2006年度 採択された研究課題

新規DNA型RNAiライブラリーによる昆虫免疫関与因子網羅的探索法の確立とその利用技術の開発

研究代表者氏名及び所属

田中 博光
田中 博光
(独立行政法人農業生物資源研究所)

研究実施期間

平成18年度~20年度(3年間)

研究の趣旨・概要

昆虫はほ乳類とは異なり、長鎖二本鎖RNAを用いた場合、細胞障害反応を起こすことなく、効率良くRNA干渉反応を起こすことができる。従って、比較的長い(500塩基以上)ステムループ型のRNAを産生するようなcDNA発現プラスミドライブラリーを作製する技術が確立できれば、昆虫では、これを用いることで機能因子の網羅的探索が可能になると思われる。本研究では、こうしたcDNA発現プラスミドライブラリー(DNA型RNAiライブラリー)の簡便な作製技術及び、このライブラリーを用いての効率的なスクリーニング法を確立するとともに、この手法を用い、未だほとんど知られていない、ウイルス、細胞内増殖細菌などに対する昆虫側の免疫機構に関わる因子の網羅的探索を鱗翅目昆虫のモデル昆虫であるカイコ及び感染症の媒介昆虫である蚊を用いて行い、未知の昆虫免疫機構の解明を目指す。これら研究成果は、ウイルス農薬等の環境保全型農業に即した新しい害虫防除の技術開発や病原微生物感染症の新規検査薬、予防薬、治療薬の開発に結びつくものと思われる。また、DNA型RNAiライブラリーを用いてのスクリーニング技術は昆虫のポストゲノム研究に大きく貢献することが期待される。

研究項目及び実施体制(()は研究担当者)

  • 新規DNA型RNAiライブラリーによる昆虫免疫関与因子の網羅的探索法の確立とその利用技術の開発
    (独立行政法人 農業生物資源研究所 田中博光)

研究のイメージ

新規DNA型RNAiライブラリーによる昆虫免疫関与因子網羅的探索法の確立とその利用技術の開発