プレスリリース
(お知らせ)珍しい八重咲きの誕生でリンドウの用途が拡大

情報公開日:2022年11月30日 (水曜日)

ポイント

  • 花びらが重なって咲く八重咲きで、さらに、花びらの色がピンク、水色又は濃い青色に輝くリンドウが誕生しました。
  • 仏花のイメージが強かったリンドウの利用範囲が贈答用や観賞用などに拡大します。

概要

生研支援センターでは、農林水産業や食品産業の分野で新事業の創出や技術革新を目指す研究に資金を提供しており、得られた研究成果を広く知っていただくため、研究成果を分かりやすく紹介する取組を実施しています。

今回、紹介するのは、八重咲きリンドウの研究成果についてです。

これまでリンドウといえば、花びらが一重咲きで、色が青紫色でお墓参りなどに利用される仏花のイメージが強く、利用範囲が限られていました。しかし、新しい八重咲きリンドウの誕生でそのイメージが大きく変わりそうです。

岩手県農業研究センターや八幡平市花き研究開発センターなどは、長年にわたる品種改良の末、花びらが重なって咲く八重咲きリンドウを育成しました。昨年9月にはピンクや水色、濃い青色の3つの品種が「あしろブーケ」のブランド名で初出荷され、今年9月には青く輝く「いわて八重の輝きブルー」が市場に出荷されました。

この珍しいリンドウは、コルヒチン(イヌサフランなどの種子に含まれ、種なしスイカなどの品種改良に使われる生理活性物質)などを使って染色体を倍加させる技術と、大量に育成した苗から八重咲きにかかわる遺伝子を目印に、その苗を効率よく選び出す「DNA マーカー育種技術」により効率的に品種改良が行われました。

4つの八重咲き品種はすでに贈答用や観賞用などに利用され始めています。現在、赤いリンドウの品種開発にも力を入れています。将来的には海外での生産も検討されており、リンドウの主産地である岩手県の花き産業がこれまで以上に活性化することが期待されています。

詳しい内容は以下のURL又は別紙をご覧ください。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/episode_list/155272.html

これまでに紹介した研究成果は以下のURLをご覧ください(全41話掲載)。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/index.html