ポイント
- かいよう病にかかりにくく、味が良く、種子が少なくて食べやすい、カンキツ新品種「瑞季(みずき)」ができました。
- 健康機能性成分も多く含まれ、カンキツ端境期の4月中旬以降に市場出荷が可能なので、国産果実の消費拡大に貢献することが期待されます。
- 生産~貯蔵~流通~加工に至る一貫した技術を確立、迅速な全国普及を図っています。また、機能性成分を解明し、付加価値の高い加工食品づくりの事業化も進めています。
概要
生研支援センターでは、農林水産業や食品産業の分野で新事業の創出や技術革新を目指す研究に資金を提供しており、得られた研究成果を広く知っていただくため、研究成果を分かりやすく紹介する「成果事例こぼれ話」を作成・公表しています。
今回紹介するのは、広島県立総合技術研究所と京都大学を代表機関とする研究グループが、カンキツ新品種「瑞季」を開発、生産~貯蔵~流通~加工に至る一貫した技術を確立し、迅速な全国普及と消費拡大を進めている事例です。
「瑞季」はかいよう病にかかりにくく、味が良く、種子が少なくて食べやすいブンタン品種です。カットフルーツに向き、皮ごと食べることもできます。カンキツ端境期の4月中旬以降に出荷が可能なので、生産者の所得向上、国産果実の消費拡大につながるのみならず、注目すべき機能性成分も多く含まれており、国民の健康増進にも貢献できることが期待されます。
「瑞季」は、2018年3月7日に品種登録出願し、19年11月20日に品種登録されました。苗木販売が開始されて生産現場で普及が始まっており、全国で約15 haの栽培面積があると推定されます。果実の販売も始まり、今年は早出しで3月から広島県の青果店やJA直売所などに並び始めました。
研究グループでは、「瑞季」の全国的な普及のため、生産~貯蔵~流通~加工に至る一貫した技術の確立を目標に、早期成園化技術、高品質安定生産技術、長期貯蔵技術、権利保護のための品種識別技術などを開発し、それぞれマニュアル化して現場への普及を図っています。また、機能性成分を解明し、付加価値の高い加工食品づくりの事業化も進めています。
詳しい内容は以下のURLまたは別紙をご覧ください。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/episode_list/169522.html
これまでに紹介した研究成果は以下のURLをご覧ください(全64話掲載)。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/index.html