ポイント
- ワカメ養殖の種苗供給の安定化を図る技術が開発されました。屋外での種苗生産に代わり、フラスコ等で培養された「フリー配偶体」を活用し、屋内で育成管理することで、種苗の歩留まり(養殖に用いることのできる割合)を飛躍的に向上させました。
- 高温耐性を備え、品質にも優れた新品種を作出、ワカメでは初の品種登録をめざして「鳴門美波(なるとみなみ)」の名で出願し、地域ブランド化を後押ししています。
- ワカメ養殖中の魚類による食害に対応する、「育苗ケージ」などの安価で効率的な防護法も開発し、普及を進めています。
概要
生研支援センターでは、農林水産業や食品産業の分野で新事業の創出や技術革新を目指す研究に資金を提供しており、得られた研究成果を広く知っていただくため、研究成果を分かりやすく紹介する「成果事例こぼれ話」を作成・公表しています。
今回紹介するのは、(国研)水産研究・教育機構を代表機関とする研究グループが、近年の海洋環境の変化に対応し、ワカメ養殖の種苗供給を安定化させる技術を開発するとともに、生産現場の要望に合う優良品種を作出し、ワカメでは初の品種登録に挑んだ事例です。
ほとんどが養殖の国産ワカメは、高水温化などの海洋環境の不安定化により、生産量が大きく減少しています。養殖現場では、環境変化に対応し、生産の安定化、品質の向上を図る技術が求められています。
そこで、水産研究・教育機構や徳島県、(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所などからなる研究グループは、従来の養殖工程のうち、最も気温・海水温上昇等の影響を受けている種苗生産において、これらの環境変化に対応し、種苗供給の安定化を図るため、屋内でフラスコ等により培養された「フリー配偶体」を活用した種苗生産法を開発しました。また、現場の要望に合う、高温耐性を備え、生長が良く、しわが少ないなど品質にも優れた新品種を作出し、ワカメでは初の品種登録をめざして「鳴門美波」の名で出願しました。優良品種による地域ブランド創出活性化の布石となることが期待されます。
さらに、ワカメ養殖中の魚類による食害に対応し、海上で育苗中の種苗を包み込んでガードする「育苗ケージ」などの安価で効率的な防護法を開発し、普及を進めています。
詳しい内容は以下のURLまたは別紙をご覧ください。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/episode_list/175319.html
これまでに紹介した研究成果は以下のURLをご覧ください(全71話掲載)。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/index.html
