プレスリリース
(お知らせ)成果事例こぼれ話 第72話の公表 (アスパラガス「枠板式高畝栽培」で省力・安定栽培を確立)

情報公開日:2026年5月19日 (火曜日)

ポイント

  • 香川県で開発された、アスパラガスの連作障害を回避できる技術「枠板式高畝栽培」が、気象条件や品種の異なる全国の産地でも活用できることが実証されました。
  • 「枠板式高畝栽培」の導入により、平畝栽培から高畝栽培となったことで、収穫時の生産者の姿勢が変わり、身体的負担も軽減できるようになります。
  • 「枠板式高畝栽培」に対応した自動収穫ロボットも開発され、人とロボットの協働によるアスパラガスの安定生産の実現に向けた取り組みが続いています。

概要

生研支援センターでは、農林水産業や食品産業の分野で新事業の創出や技術革新を目指す研究に資金を提供しており、得られた研究成果を広く知っていただくため、研究成果を分かりやすく紹介する「成果事例こぼれ話」を作成・公表しています。

今回紹介するのは、農研機構を代表機関とする研究グループが、香川県で始まったアスパラガス(以下「アスパラ」)の「枠板式高畝栽培」を活用し、気象条件と品種の異なる香川県以外の産地でも収益を上げられることを実証し、全国への普及を進めている事例です。

アスパラは、一度植えると同じ株で何年も収穫できる作物です。その一方で、長く作り続けるうちに収穫量が落ち、植え替えが必要になっても、次の苗がうまく根付かないことがありました(いわゆる「連作障害」)。そこで香川県では、10~15年ごとの植え替え(改植)時期に、畝をいったん掘り返して植え替えるのではなく、今ある畝の上に新しい土(客土)を重ね、古い株を土の中で枯らしながら新しい苗を育てる方法が考えられました(不耕起客土栽培)。この方法にさらに工夫を加え、土を重ねて高くなった畝が崩れないように、畝の側面を板で支える形にしたのが「枠板式高畝栽培」です。畝の高さが40~60 cmとなったことで、収穫は、しゃがみこんで行う作業から、台車に乗って背を伸ばして行う作業となり、体への負担も軽くできました。

さらに、「枠板式高畝栽培」の導入に合わせて、これまで平畝用に開発されてきた自動収穫ロボットについても、高畝条件に対応した改良が進められています。こうしたロボットを活用することで、将来的には収穫作業の人手を減らし、人とロボットが役割分担しながら作業を行う省力的な収穫の仕組みを作ることが可能になります。

「枠板式高畝栽培」の普及によって、作り手の負担軽減と収穫の安定化を両立させ、国産アスパラガスの安定供給につながることが期待されています。

詳しい内容は以下のURLまたは別紙をご覧ください。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode_list/175804.html

これまでに紹介した研究成果は以下のURLをご覧ください(全72話掲載)。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/index.html