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「食によるヘルスケア産業創出コンソーシアム」で整備した腸内細菌叢データの提供を開始

掲載日 : 2022年9月29日(木曜日)

東北大学東北メディカル・メガバンク機構(以下、ToMMo)は、2022年9月29日より、「食によるヘルスケア産業創出コンソーシアム」の取り組みの一環として収集した315名分の腸内細菌叢(※1)データを、国内の産学の研究者向けに提供を開始します。

今回提供するデータは、ToMMoが2021年10月より、20代から80代の男女から収集した便検体の抽出・解析と、便の性状に関するアンケート調査により整備したものです。815種類の菌種ごとの細菌数と存在割合、および便の性状のデータからなります。

データはPRISM「次世代バイオデータ基盤の構築に向けたデータ連携の概念実証」において、これまで構築してきたコホート(※2)横断検索システムに格納されます。すでにToMMoが蓄積してきた検体検査情報やゲノムデータ、オミックスデータ(※3)などの多様なデータと紐づけ、腸内細菌叢と健康の関連を遺伝的要因も含めて分析することが可能になります。

本データの利活用を進めることで、全国にある腸内細菌叢データの利活用促進につながり、マイクロバイオーム研究に基づく食による健康維持を目標とした研究の飛躍的な前進が期待されます。

(用語)

  1. 腸内細菌叢 : 腸内に生息する微生物全体を指します。健康状態と深い関わりを持つことが近年わかり、注目されています。
  2. コホート : 共通の性質を持つ調査対象者群
  3. オミックスデータ : 生体中に存在する分子全体を網羅した情報

関連情報

腸内細菌叢315人分のデータ分譲開始~試行的産業利用を通じて腸内細菌叢データ利活用の呼水に~ (東北大学、2022年9月29日)
https://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/50982