消費者ニーズに対応した乳製品の開発のため、乳酸菌を食品等から分離・収集して、約2,000株からなる乳酸菌ライブラリーを作成するとともに、 γ-アミノ酪酸(GABA)生産能、バクテリオシン生産能を有する有用菌株を探索し、見出した。共同研究によりその実用化を進めている。さらに、プラスミ ドを特異的に除去する方法を考案し、外来遺伝子を含まない安全な乳酸菌育種法を開発した。
背景
乳酸菌は、チーズ、ヨーグルト等の乳製品の風味の醸成に大きな貢献をする。国産乳製品の付加価値を高め競争力向上を図るとともに、食の安全・安心や 消費者の健康志向に対応した乳製品の開発のためには、γ-アミノ酪酸(GABA)生産能等、新たな有用物質生産性を有する乳酸菌を探索し、その活用を図る 必要がある。
目的
γ-アミノ酪酸(GABA)生産能等新たな有用物質生産性を有する乳酸菌を探索し、その機能を解明して活用を図るとともに、外来遺伝子を含まない安全な乳酸菌育種法を開発する。
成果
- 乳酸菌を食品等から分離・収集して、その特性を解析し、約2,000株からなる乳酸菌ライブラリーを作成した。
- ラクトコッカス属を特異的に検出できるPCR法を開発し、ラクトコッカス属乳酸菌の速やかな分離・同定を可能にした。
- ラクトコッカス属が有するプラスミドを特異的に除去する方法を考案し、外来遺伝子を含まない安全な乳酸菌育種法を開発した。
- 新規抗菌剤の開発のため、新規バクテリオシン生産株を分離し、その性質を明らかにした。
- 血圧降下作用や抗ストレス作用を有するGABAの高生産菌株ラクトコッカス01-7株を活用し、GABAチーズを開発した。
研究の今後
GABAチーズに関して、民間との共同研究により、実用化、製品化をめざす。