研究情報

先端的研究基盤と4つの研究の柱(研究セグメント)

先端的研究基盤

Society5.0の深化と浸透に向け、農業・食品産業のデジタルトランスフォーメーションと研究力強化を実現するため、理事長直下に基盤技術研究本部を設置し、以下の4つの研究センターにおいて、AI、ロボティクス、精密分析等の研究基盤技術の高度化と徹底活用、統合データベースや遺伝資源などの共通基盤の整備、運用を行います。

(1)農業情報研究センター

(2)農業ロボティクス研究センター

(3)遺伝資源研究センター

(4)高度分析研究センター

研究セグメント

セグメントI

アグリ・フードビジネス

超高齢化社会を迎えた我が国では、国民の健康長寿意識の高まりや単身世帯の増加等による食のニーズ変化に対応した研究開発が求められています。このため、美味しくて健康に良い新たな食の創造、AIやデータを利活用したフードチェーンのスマート化、食品の安全と信頼の確保、畜産物の生産・加工・流通と動物衛生の連携等に取り組み、マーケットを拡大して農業・食品産業のビジネス競争力の強化を目指します。

セグメントII

スマート生産システム

高齢化の進展や農業労働力の減少が進む中で、国民への食料の安定供給と食料の自給力向上が重要な課題となっています。経営規模は拡大しつつありますが、ほ場枚数の増加や作型(品種や作期)の多様化に伴い適期内の作業遂行や的確な栽培管理が困難となっており、規模拡大が収益性の向上につながらない事態も生じています。このため、AI、データ、ロボティックスなどのスマート技術の開発や、作付最適化技術等を核とする地域ごとの新たな生産システムの構築に取り組み、生産性の飛躍的な向上と農業者の利益の増加を図ります。また、マーケットインの考え方により、生産・加工・販売に関する経営間連携による新たな生産システムを構築し、地域経済の活性化にも貢献します。

セグメントIII

アグリバイオシステム

食料自給力の向上、バイオエコノミー社会の早期実現、健康長寿社会等への対応が急務です。このため、農作物、昆虫等について、農業上重要な生物機能を解明するとともに、ゲノム編集等の先端バイオ基盤の構築を推進します。また、これらバイオ技術と進展著しいAI技術を融合して育種研究や栽培技術開発等に活用することで、農作物の生産性や機能性の向上を進め、農業・食品産業の競争力の強化を目指します。さらに、実現困難な課題に挑み、生物機能の最大活用を図ることで、革新的物質生産システムを構築して新たなバイオ産業の創出につなげます。

セグメントIV

ロバスト農業システム

豪雨頻度や少雨・無降雨日数の増加と降雪量の減少、越境性病害虫の増加等、気候変動による農業被害が増大しています。このため、AI等を駆使したデータ駆動型生産環境管理及び農業インフラのデジタルトランスフォーメーションを実現し、農業からの温室効果ガスの排出低減、自然災害に対する防災・減災及び病害虫等による農作物被害の軽減を実現することで、農業生産性の向上を図るとともに温暖化リスクに対して強靭な農業システムの構築と環境保全への貢献を同時に達成します。