研究代表者氏名及び所属
杉本 喜憲
(社団法人 畜産技術協会附属動物遺伝研究所)
研究実施期間
平成24年度~26年度(3年間)
研究の趣旨・概要
和牛の繁殖雌牛の受胎率は年々低下する傾向にあり(研究のイメージ図)、その主な原因として胚死滅を引き起こす劣性変異遺伝子(胚死滅因子)の関与が疑われている。しかしながら、母体内で早期に死滅する劣性ホモ接合体胚はあまりに微少なためサンプリングできず、「胚死滅因子」のゲノム解析は困難であった。
そこで、「ハプロタイプが集団内に存在するにも関わらず、ホモ接合体が存在しないゲノム領域に胚死滅を引き起こす劣性変異が存在する」と仮定した。本課題では、大規模な和牛の高密度SNPデータを用いてハプロタイプを再構成し、ハプロタイプの頻度から期待されるホモ接合体数から偏りの大きいハプロタイプを候補ゲノム領域と特定し、次世代DNAシーケンサー解読で有害変異を探索する。繁殖雌牛の受胎率成績との関連性を調べ、『劣性遺伝性の胚死滅』を引き起こす「胚死滅因子」を同定する。