研究代表者氏名及び所属
齋藤 勝晴
(国立大学法人信州大学農学部)
研究実施期間
平成24年度~26年度(3年間)
研究の趣旨・概要
日本はリン酸質肥料の原料となるリン鉱石のほとんどを海外からの輸入に依存している。近年新興国でリン酸質肥料の需要が高まっており、今後リン資源の需給がさらに逼迫すると予想され、リン資源の有効利用が課題となっている。リン酸質肥料の利用効率は約10%前後と著しく低く、土壌に吸着するリン酸量が多いため物質循環が成り立ちにくい。生産費の削減や資源保全、環境保全の観点から、リン利用効率の高い栽培技術や育種が求められている。
本研究では、作物と菌類により営まれる共生システムである菌根共生に着目し、菌根共生の効率的な土壌養分吸収能力を活用し、リン酸質肥料の使用量低減や循環的資源利用を目指す。そのための基礎技術として、共生的リン酸輸送の「鍵」となる植物と菌根菌の因子を解析し菌根のリン酸供給能力を明らかにすることで、菌根共生の機能を数値化する活性指標を開発する。