生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

イノベーション創出基礎的研究推進事業(終了)

2012年度 採択された研究課題

自然免疫修飾による健康増進を目指した高機能食品の開発

研究代表者氏名及び所属

岩倉 洋一郎

(学校法人東京理科大学生命医科学研究所)

研究実施機関

 平成24年度~26年度(3年間)

 研究の趣旨・概要

我々は,自然免疫系を修飾することにより、アレルギーや癌などに対する予防効果のある、「科学的根拠に基づいた安心・安全な高機能食品」の開発を目指し、これまで研究を行ってきた。この中で、自然免疫受容体の一つであるデクチン1がβグルカンの、デクチン2がαマンナンの受容体であることを初めて明らかにした。また、デクチン1に作用するラミナリンや粒子状βグルカンの摂取が強いアレルギー抑制作用を持つことを見出し、人の健康増進・維持に役立つ可能性があることを示した。本研究では,デクチン1受容体以外の自然免疫受容体に作用するマンナンや核酸などの複数の免疫機能修飾成分を組合せることで,より免疫修飾活性の高い機能性食品を開発することを目的とする。このために,動物モデルを用いてこのような免疫修飾能を持つ食品成分の分子レベルにおける機能解析や,活性と構造の相関,大量製造・加工技術の開発、および人における効果と副作用の検討、等を4つの研究グループ相互の協力により推進する。本研究により、アレルギー,癌,感染症等の免疫関連疾患の予防効果をもつ機能性食品の開発が行われれば,国民が健康な生活を長期間送ることができる社会の実現に寄与できるものと考えている。