プレスリリース
(お知らせ)発電細菌を利用した排水処理監視システムが実用化

情報公開日:2022年1月31日 (月曜日)

ポイント

  • 発電細菌を利用した画期的な排水処理監視システムが実用化されました。
  • 従来は5日程度かかっていた排水の汚れ具合の指標となるBOD値の測定が、わずか6時間程度になり、ばっ気の自動制御が可能になりました。
  • 汚れ具合に応じた効率的な浄化処理により、電気代など維持管理費が大きく削減できます。

概要

生研支援センターでは、農林水産業や食品産業の分野で新産業の創出や技術革新を目指す研究に資金を提供しており、得られた研究成果を広く知っていただくため、研究成果を分かりやすく紹介する取組を実施しています。

今回、紹介するのは、養豚場の排水について効率的な浄化処理を可能にする「BOD監視システム」です。山形東亜DKK株式会社が昨年7月から発売しています。その優れたばっ気の制御技術が評価され、昨年11月、「TOHOKU DX大賞」(経済産業省東北経済産業局主催)で優秀賞(製品・サービス部門)を受賞しました。

このシステムの大きな特徴は、有機物を分解する際に電流を発生させる発電細菌の性質を利用したことです。発電細菌は自然界に広く存在します。排水中の発電細菌の発電量から、汚れ具合の指標となるBOD(生物化学的酸素要求量)値をわずか6時間程度で測定します。

汚れ具合が短時間で分かるため、それに応じて排水に空気を送り込むばっ気操作を効率的に行うことができ、費用のかさむ電気代を大きく節約できます。

既に養豚場からの受注もあり、既存の浄化処理施設にも設置できるなど、今後の普及が期待されています。

詳しい内容は以下のURL又は別紙をご覧ください。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/episode_list/145494.html

これまでに紹介した研究成果は以下のURLをご覧ください(全32話掲載)。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/index.html