プレスリリース
(お知らせ)成果事例こぼれ話 第67話の公表 (国産チーズスターターを開発、地域ブランド作りを後押し)

情報公開日:2025年12月 2日 (火曜日)

ポイント

  • チーズ作りに欠かせないチーズスターターに合う乳酸菌を北海道と栃木県のご当地食品から分離・選抜し、熟成促進・うま味増強効果が認められた4菌株から国産「Jチーズスターター」を開発しました。
  • 全国のチーズ工房による、魅力的な地域ブランドチーズ開発を後押しするツールとして、Jチーズスターターの普及を進めています。熟成促進効果により、熟成期間を短縮、収益向上も期待できます。

概要

生研支援センターでは、農林水産業や食品産業の分野で新事業の創出や技術革新を目指す研究に資金を提供しており、得られた研究成果を広く知っていただくため、研究成果を分かりやすく紹介する「成果事例こぼれ話」を作成・公表しています。

今回紹介するのは、農研機構を代表機関とする研究グループが、国産チーズスターター(Jチーズスターター)を開発し、国産ブランド、地域ブランドチーズの差別化に取り組んでいる事例です。

国産チーズ作りの現場では、チーズ作りに欠かせないメインスターター(乳酸発酵能力の高い乳酸菌などの発酵用微生物)だけでなく、チーズの風味、特徴付けに添加される補助スターター(うま味や香り生成に働く乳酸菌などの発酵用微生物)のほとんどが輸入品で、安価な輸入チーズとの差別化が難しい状況です。

そこで農研機構は、多くのチーズ工房が立地する北海道および栃木県の公設試験場と連携し、地域の発酵食品から分離・選抜した乳酸菌による、国産チーズスターター(Jチーズスターター)を開発しました。新規に開発したスターターは、補助スターターに分類されるもので、チーズの熟成を早め、うま味や香りを強化するなどの効果があります。チーズ工房など中小の経営体では、大きな熟成庫を備えることは難しい状況があるため、Jチーズスターターを活用して熟成期間を従来の3分の2に短縮することで、熟成庫の回転率を上げられる仕組みを作り、収益向上を図れるようにしました。

Jチーズスターターを使ったチーズは、全国の工房で製造、市販が始まっています。

詳しい内容は以下のURLまたは別紙をご覧ください。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/episode_list/172785.html

これまでに紹介した研究成果は以下のURLをご覧ください(全67話掲載)。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/index.html