農村工学研究部門

農村工学研究部門メールマガジン

メールマガジン第100号 (2018年7月号)

この度の平成30年7月豪雨により亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災に伴い避難所などで不自由な生活を余儀なくされている方々に対し心よりお見舞い申し上げます。

当研究部門においても、今回の被災地の復旧・復興に協力するとともに、今後の防災研究にも一層尽力してまいります。

目次

1)トピックス
2)イベント情報
3)メッセージ
4)農村工学研究部門の動き
5)研究ウオッチ
6)こんにちは農業農村
7)つれづれなるままに
8)農村の草花
9)研究者の横顔
10)編集後記

1)トピックス

■平成30年7月豪雨に関する農研機構災害対策支援本部第1回会議の開催

第1回災害対策支援本部会合を7月9日、当研究部門の緊急防災対策室において開催しました。「平成30年台風7号及び前線等の大雨」の農業水利施設の被災状況について情報共有するとともに、農研機構研究者の現地派遣等の今後の対応について方針を確認しました。

農研機構は、農林水産省からの依頼に基づき、今後、当研究部門の専門家を現地に派遣し、ため池その他の農業水利施設の調査を実施しました。

 企画管理部災害対策調整室長 梶原義範

(関連URL)

■平成30年7月豪雨に関する農研機構災害対策支援本部第2回会議の開催

第2回災害対策支援本部会合を7月20日、当研究部門の緊急防災対策室において開催しました。災害対策本部の名称を「平成30年台風7号及び前線等の大雨」から「平成30年7月豪雨」に変更しました。また、ため池等の被災状況や農研機構の対応状況及び今後の対応について方針を確認しました。

 企画管理部災害対策調整室長 梶原義範

(関連URL)

■【プレスリリース】(お知らせ)平成30年7月豪雨による被災ため池等に関する現地調査報告書の公表

農研機構は、平成30年7月豪雨災害への技術支援の一環として現地調査を実施しました。現地調査では、被災状況の確認を行い、被災原因の分析と今後の対策に向けて専門的な見地から指導・助言を行いました。

 企画管理部災害対策調整室長 梶原義範

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■【プレスリリース】(研究成果)水田域の豪雨被害のリスクを評価する手法を開発

水田中心の地域(水田域)等で将来起こりうる様々な豪雨パターン(雨量と降り方の組合せ)のシミュレーション手法を開発し、加えてその豪雨パターンにより未経験の水田冠水を含む被害を予測し、水稲減収のリスクを評価する手法を開発しました。

この手法は、気候変動の影響を考慮した上で、将来の豪雨の降雨強度や発生頻度の変化を推定できるため、将来的にも農地の安全性を高める排水計画の検討に役立ちます。

 技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

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■岩崎和巳 元農業工学研究所長が日本農業研究所賞を受賞!

5月9日、岩崎和巳(元農業工学研究所長)が日本農業研究所賞を受賞されました。日本農業研究所賞は、農業に関する学術研究上顕著な業績をあげ、かつ農業の発達のため優れた業績をあげた者に対して表彰するものです。

 企画管理部 企画連携室企画チーム 浜田善幸

(関連URL)

■増本隆夫 元農村工学研究部門地域資源工学研究領域長が日本農業工学会賞を受賞

5月15日、増本隆夫(元 農村工学研究部門地域資源工学研究領域長)が「流域規模の農地水利用と自然・人為的水循環変化に関する研究」で日本農業工学会賞を受賞されました。

 企画管理部 企画連携室企画チーム 浜田善幸

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2)イベント情報

■JSTフェア2018に出展します

農研機構 農村工学研究部門は、「JSTフェア2018」の農研機構ブースにてポスター展示を行います。

ポスターは、
・水田の水管理を遠隔・自動制御化する圃場水管理システム
・圃場水管理システムの活用状況 ~現地圃場での使用例~
となります。是非ご参加下さい。

 技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連URL)

■「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」技術交流会
 -第10回 SIPインフラ社会実装促進会議に出展

7月19日(木)に、飯田橋ベルサールファーストにおいてSIPインフラ維持管理・更新・マネジメント技術交流会が開催され、農研機構からもSIPの開発テーマである「漏水位置検出技術」と小規模土地改良区でも導入できる「水利施設管理台帳システム」を出展しました。

 施設工学研究領域 施設保全ユニットユニット長 中嶋 勇

(関連資料)

3)メッセージ

■日本の施設園芸分野での技術を学び、日光温室での栽培に活かす

農業施設ユニットでは本年3月から1年間、中国の瀋陽農業大学から王 蕊(わん るい)博士にお越しいただき、共同で研究を行っています。王博士は主に中国独自の園芸施設である「日光温室」を対象として環境制御の研究などを行っており、今回の滞在で日本の施設園芸分野での技術を学び、日光温室での栽培に活かしていきたいそうです。

今回は中国・瀋陽市や瀋陽農業大学、瀋陽で普及している日光温室についてたくさんの写真とともにご紹介いただきました。

 農地基盤工学研究領域 農業施設ユニット土屋遼太

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/100/03-01.pdf

■コンサルタントから技術講習生として

2017 年から技術講習生として、水利工学研究領域水利システムユニットで技術講習生として受け入れてもらっています。当ユニットにはこれまでも弊社社員を受け入れてもらっており、私で5代目、10年以上続いている制度です。

先輩方は2~3年、技術講習生としてここで日本全国の水利システムについて学び、会社に戻ってからはその経験を日々の業務に存分に活かしています。

 株式会社三祐コンサルタンツ 光安 麻里恵

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/100/03-02.pdf

4)農村工学研究部門の動き

■情報分析官との平成30年度「第1回技術交流会議」開催(報告)

6月26日(火)、農林水産省農村振興局から情報分析官6名の訪問を受け、平成30年度「第1回技術交流会議」を開催しました。

 技術移転部教授 江間敏介

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/100/04-01.pdf

■農工研メルマガ発行して100号到達!

農工研メールマガジンは、2010年4月に開始し、今号まで休みなく毎月発行して100号になりました。発行当時の理事(所長)であった小前隆美氏より寄稿がありましたのでご紹介します。

今後とも農村工学研究部門をより身近に感じて頂けるよう、様々な記事・情報を皆様に配信させて頂く所存です。今後ともどうぞよろしくお願いします。

 技術移転部長 小川茂男

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/100/04-02.pdf

5)研究ウオッチ

■シリーズ「測る」-地中の亀裂範囲を地表から探査する手法-

地震の後など、農地やため池に亀裂が生じ湛水不良が発生すると営農に大きな影響がおよびます。早期復旧のためには、どこにどれくらいの大きさの亀裂があるかを調べる必要があります。

地中の電気的性質を測ることで、地面の下の状態を推定する「電気探査」という手法があります。今回、電気探査を利用した地中の亀裂範囲推定手法について、施設工学研究領域地域防災ユニットの井上主任研究員に紹介してもらいました。

 施設工学研究領域 施設保全ユニット主任研究員 川邉翔平

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/100/05-01.pdf

6)こんにちは農業農村

■ため池百選 秋田県仙北郡美郷町(一丈木ため池)

ため池百選とは、農業者の減少、高齢化の中で管理が難しくなりつつあるため池について、その歴史や多様な役割、保全の必要性を国民の皆様に理解いただく契機とするため、農業用の水源として秀でた特徴を有する全国のため池100地区を「ため池百選」として選定したものです。

このメルマガでは北から順番に紹介していますが、今回は秋田県仙北郡美郷町にある「一丈木ため池」を紹介します。

一丈木ため池は、570haにも及ぶ秋田こまちの水田を潤す、地域農業の重要な水源です。

周辺は一丈木公園となっており、標高1060mの真昼山とため池が一体となった景観は秋田30景に選定されています。

  (農林水産省ホームページより引用)

 企画管理部 企画連携室企画チーム 浜田善幸

(関連資料)

■自然豊かな農村工学研究部門
 -萩の花が綺麗に咲いています!-

当研究部門の研究本館横に萩の花が綺麗に咲いていました。萩の花の開花時期は、6/5~10/末です。

 企画管理部 企画連携室企画チーム 浜田善幸

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/100/06-02.pdf

7)つれづれなるままに

■とあるおっさんの四方山話
 第7回 農村工学研究所(当時)が空から見えた

この記事では、第4回から第6回で、筆者がかつて広島県福山市にあった農林水産省中国農業試験場に勤務していたときの研究対象だった中国地方の中山間地域を話題にしてきました。その中国地方で、平成30年7月豪雨により大きな災害が発生しました。災害により亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災地の一日も早い復興を願っています。

今回は前号で、高原に広がる天空の里を空から見た姿を紹介しましたが、100号記念の今回は農村工学研究所と中国農業試験場(いずれも当時の名称)が飛行機から見えることを紹介します。

 「とあるおっさん」

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/100/07-01.pdf

8)農村の草花

■最近では水田の中も「欧米か!」が進んでいるんです
 ~アメリカアゼナ ~

畑や畦で目立つ草花は今やほとんど外来種となってしまっていますが、実は水田内でも「欧米化」は進行しています。どの水田でも見ることができた在来のアゼナ(畦菜)に変わり、各地で北アメリカ原産のアメリカアゼナやタケトアゼナに置き換わってしまっていることを知っていましたか。

 水利工学研究領域 水域環境ユニット上級研究員 嶺田拓也

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/100/08-01.pdf

9)研究者の横顔

■久保田富次郎(くぼた とみじろう)

水文水資源ユニット長の久保田さんは、流域からの水と汚濁負荷の流出の研究に取り組んでられます。近年では、東京電力福島第一原発事故の被災地での放射性物質のモニタリングにも対応されています。

全国の現場に張り付いて調査されていて、遠方まで自ら車を運転して出かる、"タフ・ガイ"です。

 (他己紹介)山岡 賢

(自己紹介)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/100/09-01.pdf

10)編集後記

7月11日、とある契約職員の人が当研究部門の正面玄関で「世田谷区立烏山小学校145周年記念事業(にじいろからすを大空へ)」のタグ(手紙)を拾って持ってきました。7月2日に風船をつけてとばしたものだそうです。残念ながら風船は破裂していました。

世田谷区立烏山小学校から当研究部門までは直線距離で70kmです。たまたま道路に落ちていたので運が良かったのかもしれません。早速メールで拾ったことを連絡し、7月28日に農研機構「夏休み公開」があることを伝えました。

これを機会に遊びに来てくれたら嬉しいですね。

 (とあるおじさん)

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技術移転部 移転推進室 交流チーム