東北農業研究センター

畑作移行低減グループ

放射性セシウム分析装置。 研究の中心となるゲルマニウム半導体検出器です。

研究員7名の体制で大豆、ソバ、小麦、果樹を対象に研究を行っています。大豆やソバといった畑作物は水稲に比較して放射性セシウムをより高い濃度で体内に蓄積します。また、あんぽ柿でもごく稀ですが、放射性セシウム濃度が高くなることが知られています。そこで、こういった作物に放射性セシウムを吸わせない技術の開発と、なぜ濃度が高くなるのかを解明する研究を実施しています。

これまでの研究の成果としては、大豆、ソバにおいて植物が利用できるカリウム (土壌交換性カリ) の濃度を高くすると、放射性セシウムの吸収が減ることを明らかにしました。また、同じ作物であっても土壌の中の放射性セシウムを吸収する力が弱い品種を探す研究を行い,これまでに小麦や大豆で有望な品種が見つかっています。

今後は放射性セシウムの吸収を十分に抑えられる最小限のカリウム肥料の量を明らかにし,新しく果樹の研究も加えて、放射性セシウムの吸収の仕組みを明らかにして、将来にわたって農家の負担にならない栽培技術の開発を進めます。

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