農業機械研究部門

所長

所長挨拶



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農研機構 農業機械研究部門
所 長 長﨑 裕司 (ながさき ゆうじ)

 2025年のスタートにあたり、農機研の所長として新年のご挨拶を申し上げます。
 農機研は、60年余り農林水産省、民間企業、大学及び公的研究機関と連携しながら、農機具、農業機械の開発・改良研究と検査に取り組んでおります。2024年は「急勾配対応のリモコン式小型ハンマーナイフ草刈機」や、「リンゴ黒星病の発生低減に貢献する落葉収集機」の成果について、それぞれ開発企業が令和6年度の民間部門農林水産研究開発功績者表彰の受賞に至りました。関係の皆さまとの連携でインパクトのある成果を上げることを念頭に、節目の年である2025年に臨んでまいります。

 農機研では、農研機構が目標として掲げる、食料自給率向上と食料安全保障、農産物・食品の産業競争力強化と輸出拡大、生産性向上と環境保全の両立への貢献に対して、農業機械の開発について、スマート農業技術の核となる農業機械等の開発と現場実装を進めるとともに、事故ゼロに向けた農作業安全システムの構築を推進しています。2025年度は第5期中長期計画の最終年にあたり、第6期に向けてスマート農業技術の開発に加えて実装を加速する取組が求められております。そのため、農業場面での適用を意識した高い性能とリーズナブルな製品コストでのスマート農機の実用化を目指した研究開発が一層重要となります。

 冒頭の2つの成果を創出した、農業機械技術クラスター事業については、生産現場や行政部局のニーズに対応しつつ、スマート農業に対応した革新的なコア技術の実用化を民間企業への技術移転と現地実証を組み合わせて対応します。
 農作業安全については、農機研で検討されたロボット・自動化農機の安全性検査の主要な実施方法・基準が、2024年にロボット農機の安全性に関する国際規格である「ISO 18497:2024」に掲載されました。2025年4月からは新たな安全性検査制度もスタートします。安全性が高いロボット農機の国際的な普及促進に加えて、我が国の農作業事故減少に貢献できる安全性の高い農業機械が現場で導入・活用されるよう関連取組をさらに進めます。

 2024年は食料・農業・農村基本法の改正に合わせて、スマート農業技術活用促進法が制定・施行、農研機構でもスマート農業施設供用推進プロジェクトが開始されました。農機研もスマート農機の開発・改良を通して関連施策の推進に貢献します。
 みどりの食料システム戦略関連では、2024年農業技術10大成果に選出いただいた「両正条田植機」は、直交に機械除草できるようになることで人手による除草労力を削減できます。2025年も実証等の取組を進めて、有機農業取組面積拡大に向けて現場から寄せられている早期実用化の期待に応えます。
 引き続き、皆さまと連携を深め、ご支援・協力を得るよう努めますので、よろしくお願いいたします。