九州沖縄農業研究センター

新規野菜・花き栽培技術マニュアル

新しい野菜・花きを導入するにあたって

亜熱帯環境にある沖縄県に数種の温暖地性の野菜花きを導入・定着せるための技術を開発しましたので、技術マニュアルに取り纏めご紹介します。積極的にご活用いただければ幸いです。

本土からの移入に頼っている野菜や花き類の中には日数を要する輸送によってかなりの鮮度低下が生じており、視覚的な範囲に留まらず、栄養成分や機能性の面での減少が予測されます。また、輸送コストがかかり、沖縄県は我が国でも最も野菜価格の高い地域となっております。

このため、可能な範囲で、県内での生産を推進し、鮮度の高い青果物を安価に消費者の手に届けることは、沖縄県民のみならず観光客等の外来者に対しても、素晴らしいことであり、必要なことです。

今後、生産現場におけるきめ細かな詳細技術の開発は、なお残されているものもありまするが、基本的な実用性のある技術は確立され、イチゴ、種なしスイカ、カーネーション、シンテッポウユリ、ユーチャリス等については確実に生産が可能となりました。

後は、生産者が勇気を持って新作物にチャレンジするのみです。そのためには、従来の枠の中で判断せず、移入物とは異なる県内生産物の優位な特徴を売り物にすることが大事で、独自の販売ルートを開拓するなどして、消費者に提供することを考えてください。大いなる成果が得られることを期待しています。

九州沖縄農業研究センター 野菜花き研究部長