果樹茶業研究部門

育成品種紹介

はつあき

リンゴ品種「はつあき」は、育成地(岩手県盛岡市)での成熟期は9月上旬で、収穫前落果が少しみられます。果汁が多くて酸味があるので加工用として期待できます。名前は、初秋に中生種のはしりとして出まわり、秋の味覚をにぎわすことを表しています。

主要特性

  • 果実の大きさは中で250~300gで、形は円~やや円錐で豊満です。果皮にさびが出やすいため初期の薬剤散布には注意を要しますが、橙赤~鮮赤色に着色がすすむとあまり目立たなくなります。
  • 果肉は黄白色で硬さは中位です。糖度は13%、リンゴ酸は0.6%前後です。やや酸味が強いものの、果汁が多く、芳香を有するため食味は優れています。果汁の品質が優れているので加工用としても有望です。
  • 日持ち性は室温で約1ヵ月、冷蔵で2ヵ月以上ありますので、早生と中生種をつなぐ品種としては十分な貯蔵性を有します。
  • 樹姿は開張性で強健、豊産性。斑点落葉病には抵抗性をしめします。

リンゴ品種「はつあき」の結実状況「はつあき」の結実状況

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間

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種苗法による品種登録制度が行われる前に育成した品種です。

交配組み合わせ 旧系統名
紅玉×ゴールデン・デリシャス 東北8号

栽培適地

暖地の長野県や東北、北海道いずれの地方でも栽培できますが、特に、長野県や福島県などの早出し地帯に普及が期待されます。

農林認定品種(旧:命名登録品種)

登録番号:りんご農林3号

登録年月日:1976年11月 1日

育成担当者

吉田義雄、土屋七郎、羽生田忠敬、真田哲朗、定盛昌助

発表論文

果樹試験場報告. C, 盛岡, 5号, p.1-13(1978-03): リンゴ新品種'はつあき'について

農業技術, 32巻・ 3号, p.119-121(1977-03):リンゴの新品種「はつあき」の育成