果樹茶業研究部門

育成品種紹介

きたかみ

リンゴ品種「きたかみ」は、育成地(岩手県盛岡市)での熟期は9月上旬、気温の低い北海道では熟期が9月下旬で、早生種として既存の品種に比べて品質が優良です。名前の由来は、育成地の近くを流れる全国的に有名な北上川から名付けられました。

主要特性

  • 果実の大きさは150~200gでやや小さいですが、着色は濃紅です。
  • 果肉は黄白色で硬さは中位、切り口の褐変は少ないです。糖度12%、リンゴ酸0.5%前後で甘酸適和でです。日持性は室温で5日程度、冷蔵で20日程度と短く、軟化しやすいです。
  • 樹姿は強健で、直立性から次第に開張性となります。短果枝がよく着生し、樹は全体としてコンパクトになります。斑点落葉病抵抗性は中位、赤星病には強いです。

リンゴ品種「きたかみ」結実状況「きたかみ」の結実状況

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
352
(1981年7月27日)
1900年1月 1日 366
(1983年2月24日)
18
(満了日:2001年2月25日)
交配組み合わせ 旧系統名
東北2号(旭×ウースター・ペアメン)×レッドゴールド 盛岡15号

栽培適地

本州では8月下旬から9月上旬に熟しますが、日持ち性が不良です。しかし、北海道では本州各地と比べて日持ち性があり品質が良好であることから、北海道での普及が期待できます。

農林認定品種(旧:命名登録品種)

登録番号:りんご農林4号

登録年月日:1981年11月18日

育成担当者

吉田義雄、定盛昌助、羽生田忠敬、土屋七郎、真田哲朗、村上兵衛、石塚昭吾

発表論文

果樹試験場報告. C, 盛岡, 9号, p.1-13(1982-03) : リンゴ新品種「きたかみ」について

農業技術. 37巻・ 6号, p.270-272(1982-06): リンゴ新品種「きたかみ」

園芸学会昭和56年度秋季大会研究発表要旨, p.24-25 (1981) : リンゴの新育成系統'盛岡15号'について