果樹茶業研究部門

育成品種紹介

あきぞら

満開から140日余りで収穫される晩生の白肉モモ品種で、果実は300 g近い大玉となり、果肉は溶質で日持ち性に優れ、糖度が高く酸味は少ないなど、品質は良好です。

主要特性

        • 収穫期は満開後140日余りで,'ゆうぞら'より1週間から10日遅く収穫されます。
        • 果実重は平均で280 g余りと大果になります。
        • 糖度は14~15%となり、食味はきわめて良好です。
        • 樹姿はやや直立性で樹勢はやや強く、花芽の着生は多いです。
        • 開花期は育成地で4月上中旬で、花粉を有さず,雄性不稔性です。
        • 生理的落果の発生が見られます。
        • 果形は円ないし扁円形で玉ぞろいは比較的良好です。
        • 果皮の着色は少なく、有袋栽培が必要です。
        • 果肉はやや軟らかく密で日持ち性は良好です。
        • 渋みの発生は認められません。


あきぞらの花
図1 「あきぞら」の花


あきぞらの結実状況
図2 「あきぞら」の結実状況

表1  'あきぞら'の地域別樹性,開花期及び収穫期(1992)

表2  'あきぞら'の果実特性(1992)

表3'あきぞら','白桃'及び'ゆうぞら'の年次別成熟日数,果実重及び屈折計示度

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
5970
(1993年3月30日)
1900年1月 1日 4238
(1995年1月26日)
18年
(満了日:2013年1月27日)
交配組み合わせ 旧系統名
西野白桃×あかつき(にしのはくとう×あかつき) モモ筑波92号

栽培適地

  • 北海道及び東北地方の一部を除くモモ栽培地域で栽培は可能ですが,着色に難があるため有袋栽培が前提になります。

農林認定品種(旧:命名登録品種

登録番号 : もも農林21号

登録年月日 : 1993年7月16日

育成担当者

吉田雅夫、京谷英壽、山口正己、小園照雄、西村幸一、中村ゆり、西田光夫、土師 岳、福田博之

発表論文

果樹試験場報告 29号, p.1-13.(1996-03): モモ新品種'あきぞら'