果樹茶業研究部門

育成品種紹介

ちよひめ

満開から72~73日程度で収穫される極早生の白肉品種です。2013年の栽培面積は94haで、極早生の主要品種です。熟期が早いことから、施設栽培にも取り入れられるようになっています。

主要特性

  • 果実の大きさは育成当初は160g程度でしたが、近年は200gを超える果実も収穫されるようになりました。果皮の地色は白色で、着色は多く外観は美しいです。果実の形は円~短楕円形、裂果の発生は見られません。
  • 果肉は白色、溶質で締まり、日持ち性は比較的良好です。果汁は多く、糖度は11~12%で、酸味は少なく、この時期のモモとしては外観、食味とも優れています。
  • 満開から72~73日程度で収穫される極早生の品種です。
  • 樹勢が旺盛で、枝の発生も多いですが、樹齢が進むと樹勢も落ち着き、枝の伸長が弱く、節間が少し短くなる傾向がみられます。
  • 自家結実性で生理的落果が少ないので、よく結実し、豊産性ですが、結実過多になると樹勢が弱りますので、肥培管理、摘果、剪定などに注意する必要があります。
  • 早い時期に収穫できますので病害虫の被害が少なく、また果皮の着色が良好ですので無袋栽培に適しています。

モモ品種「ちよひめ」の果実
「ちよひめ」の果実

モモ品種「ちよひめ」の結実状況
「ちよひめ」の結実状況

モモ品種「ちよひめ」の花
「ちよひめ」の花

モモ品種「ちよひめ」の樹姿
「ちよひめ」の樹姿

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
1893
(1986年3月31日)
1900年1月 1日 1523
(1988年1月18日)
18
交配組み合わせ 旧系統名
高陽白桃(こうようはくとう)×さおとめ モモ筑波84号

栽培適地

既存のモモ産地で栽培可能ですが、早期出荷が可能な暖地での栽培が特に有効です。

農林認定品種(旧:命名登録品種)

登録番号:もも農林14号

登録年月日:1986年6月6日

育成担当者

西田光夫、吉田雅夫、京谷英壽、山口正己、小園照雄

発表論文

果樹試験場報告. A, 14号, p.1-8(1987-03) : モモの新品種'ちよひめ'について