果樹茶業研究部門

育成品種紹介

さおとめ

満開から72~73日で収穫される極早生のモモ品種です。静岡県、愛媛県などの早出しモモ産地で50haあまり栽培されていましたが、後代により優れた品種が登場したこともあって、2013年現在では静岡県で4.2ha余りの栽培となっています。

主要特性

  • 果実重は小さく、120g程度ですが樹勢が落ち着くと150g余りになります。
  • 果肉は白色、溶質で糖度は10~12%、酸味は少なく、食味は早生種としては優れています。果皮の地色は白色で扁円形、着色は早生種としては極めて多く果皮全面におよび、外観は美しいです。優れた外観と比較的良好な品質を持つことから、果樹試験場における早生品種育成の育種親として用いられ、「ちよひめ」の花粉親となっています。
  • 満開から72~73日で収穫される極早生品種です。暖地の早出し地域では6月上旬から中旬に出荷できます。
  • 樹姿はやや直立性で、樹の大きさはやや大きいです。樹勢は強く、枝梢の太さ・節間長は中です。花芽の着生は良く、単芽と複芽が混ざります。花は普通咲きで大きく、花弁は桃色、花粉は多いです。
  • 自家結実性で、生理的落果は少なく、核割れは中程度で、裂果はありません。

モモ品種「さおとめ」の果実
「さおとめ」の果実

モモ品種「さおとめ」の結実状況
「さおとめ」の結実状況

モモ品種「さおとめ」の結実状況
「さおとめ」の結実状況

モモ品種「さおとめ」の花
「さおとめ」の花

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
580
(1982年4月21日)
1900年1月 1日 468
(1983年10月29日)
18
交配組み合わせ 旧系統名
白鳳(はくほう)×ロビン モモ平塚58号

栽培適地

既存のモモ産地で栽培が可能です。

農林認定品種(旧:命名登録品種)

登録番号:もも農林13号

登録年月日:1982年10月1日

育成担当者

金戸橘夫、吉田雅夫、栗原昭夫、京谷英壽、山口正己、梶浦 実、西田光夫、千葉 勉

発表論文

果樹試験場報告. A, 11号, p.1-8(1984-03) : モモの新品種'さおとめ'について