果樹茶業研究部門
ヒラツカレッド
満開から106日前後で収穫される中生のネクタリンです。
主要特性
- 果実は200g前後で、果皮の着色は多く濃赤色で果面全体を覆います。裂果の発生は少ないですが、細かいひび割れが発生することがあります。
- 果肉は黄色で、離核、核周囲にわずかに紅色素の発生が見られます。離核です。肉質は軟らかく多汁、糖度は11~12%、酸味はpHで3.6~3.7とモモに較べて多く感じます。香りがあり、特有の風味を有します
- 山梨県で7月中下旬、長野県、福島県では8月上中旬に収穫できます。
- 樹勢は強く、やや開張します。花粉を有し自家結実性で、生理的落果も少なく、結実は安定しています。
- ネクタリンは全般的に害虫、特に果実吸ガ類、甲虫類の被害やムクドリなどの鳥類の被害を受けやすいので、被害が多くみられる所では袋かけが必要です。
「ヒラツカレッド」の果実
「ヒラツカレッド」の結実状況
「ヒラツカレッド」の花
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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355 (1981年7月27日) |
1900年1月 1日 | 362 (1983年2月24日) |
18
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交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
興津×NJN17{NJN5(ガーデン・ステイト× 25032ネクタリン)の自然交雑実生} | モモ平塚68号 |
栽培適地
既存のモモ産地で栽培可能と思われますが、成熟期に雨の多い地域では甘味が減少します。日持ち性は普通ですが、普通モモより少し劣るので、市場や消費地に近い地域で栽培する方が有利です。
農林認定品種(旧:命名登録品種)
登録番号:もも農林12号
登録年月日:1981年11月1日
育成担当者
吉田雅夫、金戸橘夫、京谷英壽、栗原昭夫、山口正己、西田光夫、千葉 勉
発表論文
果樹試験場報告. A,10号, p.9-16(1983-03) : ネクタリン新品種'ヒラツカ・レッド'について