地域防災グループは、ため池への洪水や土石流流入時の防災・減災技術、ため池決壊時の浸水区域の算定手法、ならびにため池の洪水調節機能の強化策の開発などを通じて、農村地域の防災力の強化に資する技術開発を目指しています。
全国に約16万箇所あるため池の多くは、古い時代に経験的な技術で作られています。自然災害に対して弱点を持つため池に対しては、災害に耐えられるように整備を進めることと、万一の決壊に備えた避難対策の両方が必要です。また、ため池は農業用水を貯水する施設であることから、豪雨時には洪水を一時的に貯留し、下流への流出を抑える機能があります。この機能を強化して、ため池下流の農地の洪水抑止を図ることや河川の治水にも貢献することが、ため池には期待されています。
これらの技術開発を行うため、現地観測・調査や模型実験により、ため池への洪水や土石流の流入、決壊時の氾濫流に関する現象解明を行うとともに、シミュレーションで現象を再現・評価する手法の開発を進めています。また、ハザードマップ作成時の浸水区域をため池のデータベース情報に基づいてシミュレーションにより求める手法等についても開発を進めています。
