農村工学研究部門

流域管理グループ

頻発する豪雨災害を背景として、洪水被害軽減のための氾濫リスク予測手法や農地・ため池等を活用した流域治水に関する技術開発が大きな課題です。また、水循環基本法の施行に伴って、利水においても健全な水循環の維持や回復への配慮が求められるようになってきています。農山村を主体とする流域を対象として水循環特性を評価するために、水文観測を行い実態の把握を行うとともに多様な農業水利用を考慮した分布型水循環プロセスモデルの構築を行っています。これらにより、農村地域の水循環への気候変動の影響解明に取り組んでいきます。
また、日本の農業用地下水利用量は28.7 億m3/年(農林水産省:2011)に上ります。農地の多面的機能のうち地下水かん養機能は、かんがい水や雨水が農地から地下浸透して地下水に付加され、地下水資源の保全・活用を支えるものですが、気候変動による気象・水象の変化によりこの機能が劣化した場合、農村地域を越えた広い流域へ影響が及びます。このため、健全な水循環システムを維持し持続的な地下水資源利用を図るために、地下水流動状況を解明してモデル化する技術を開発し、気候変動の影響評価や対策技術の開発を行います。

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