農村工学研究部門

農村工学研究部門メールマガジン

メールマガジン第55号(2014年10月号)

 目 次

1) トピックス
  ■穿孔暗渠機「カットドレーン」がNARO Research Prize 2014を受賞
  ■東京農工大学と筑波大学の1年生が農工研を見学
2) イベント情報
  ■農村研究フォーラム2014開催が間近です。
  ■アグリビジネス創出フェアに出展します。
  ■第12回印旛沼流域環境・体験フェア出展報告
  ■実用新技術講習会及び技術相談会の開催報告
3) 最新の農工研ニュースより
  ■水田の耕作放棄による流域の短期流出特性の変化を評価
4) 農工研の動き
  ■平成26年度農業用ダム技術管理検討会を開催
  ■インターンシップ講習生(第三期)のつぶやき(その1)
  ■水利工学研究会を開催
  ■石添容子さんが副部長を務める牛久市卓球部が文部科学大臣表彰
5) 水土里のささやき
  ■農工研の技術研修紹介 ~正確な機能診断と高度な補修・補強技術!~【農村工学専門技術研修(施設保全管理)】
6) 農村の草花
  ■微妙な“辛さ”がクセになる? 芥子(からし)より辛くない~イヌガラシ~
7) 研究者の横顔
  ■北川 巌(きたがわ いわお)

 

1)トピックス

■穿孔暗渠機「カットドレーン」がNARO Research Prize 2014を受賞

9月25日にNARO Research Prize 2014(※)の授賞式が行われ、普及成果情報「農家が無材で迅速に施工できる穿孔暗渠機カットドレーン」が選定され、研究開発をおこなった農工研農地基盤研究領域水田高度利用担当の北川巌主任研究員が表彰されました。

(関連資料URL)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/55/1-1.pdf
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/research_prize/

※NARO Research Prizeとは、農研機構の25年度の主要な研究成果の中から、社会的、経済的、または学術的にインパクトの高い優れた研究成果を選定し、表彰するものです。

企画管理部 企画チーム長 田中良和


■東京農工大学と筑波大学の1年生が農工研を見学

9月24日に東京農工大学農学部地域生態システム学科の1年生約20名、9月30日には筑波大学生命環境学群生物資源学類の1年生約30名が引率の先生方とともに来所しました。彼ら学生は農業農村工学を専攻するかどうか、これから決めていく重要な時期での見学でした。

企画管理部 情報広報課 小倉 力

 (関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/55/1-2.pdf

 

2)イベント情報

■農村研究フォーラム2014開催が間近です。

11月12日に秋葉原コンベンションホールにて開催致します。

中山間地域の振興のためには、女性の力が必要です。現地で鋭意取り組まれている女性の地域リーダーや専門家による報告と講演を通じて中山間地域の振興の中長期的な技術開発の方向をディスカッションします。

奮ってご参加下さるよう案内申し上げます。

企画管理部 企画チーム長 田中良和

(関連資料URL)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/55/2-1.pdf
http://www.naro.affrc.go.jp/event/list/2014/09/054099.html


■アグリビジネス創出フェアに出展します

11月12日~14日に東京有明の東京ビックサイトでアグリビジネス創出フェアが今年度も開催されます。

農工研施設工学研究領域(施設機能担当 主任研究員 森充広)から『通水中の農業用水路トンネル点検手法』のテーマで、断水して目視調査が困難な農業用水路トンネルを、通水状態で点検できる装置を展示します。

なお、アグリビジネス創出フェア2014は全国の産学の各機関の有する農林水産・食品分野などの最新技術や研究成果を展示やプレゼンテーションなどで分かりやすく紹介し、研究機関間や研究機関と事業者との連携を促す場として開催する「技術・交流展示会」です。

お問い合せは、下記までご連絡下さい。

(関連URL)
http://agribiz-fair.jp/detail.php?id=981

現場などへの適用などの問合せ先
農村工学研究所技術移転センター移転推進室 寺村
〒305-8609 つくば市観音台2-1-6
Tel:029-838-8296 Fax:029-838-7680
E-mail:iten[@]ml.affrc.go.jp
※メールを送信する際は[@]の[]をとってください。
 

■第12回印旛沼流域環境・体験フェア出展報告

10月26日(日曜日)、千葉県及び印旛沼流域水循環健全化会議主催の第12回印旛沼流域環境・体験フェア(千葉県佐倉市)において、出展広報活動を行いました。

当日の出展では、印旛沼に関する研究成果のパネル展示と農工研の概要書等の配布を行い、来場者に対して、農工研の組織活動及び印旛沼における研究活動(循環灌漑の水環境のモニタリング・管理手法開発等)を説明しました。来場者は、一般市民、大学関係者、学生など約70名でした。来場の方々への説明では、印旛沼の水資源・水環境の保全に対する農地や灌漑排水(循環灌漑)の役割についての期待が高いことが分かりました。

また、印旛沼では、現在、外来植物の繁茂など、農業水利施設に影響を及ぼす恐れのある新たな環境問題にも直面している状況もあります。今後、農村工学研究所としても流域の保全のために資源や農業水利施設の保全及び動植物の生態系保全の研究の推進の必要性を新たに感じた出展となりました。

水利工学研究領域長 中達雄

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/55/2-3.pdf
 

■実用新技術講習会及び技術相談会の開催報告

10月2日に、東京大学弥生講堂一条ホールで実用新技術講習会及び技術相談会を開催しました。

当日は、現場の第一線で農業農村整備事業に携わる技術系職員とコンサルタント職員等219名の関係者、北は北海道から、南は沖縄まで遠路はるばる大勢の方々に御参加頂きました。略儀ながら、メルマガ上においても、参加頂いた方々に御礼申し上げます。

プログラムは、(1)基調報告「今後の農業農村整備に対応した新たな技術開発方向」、(2)技術報告「地形制約や地元要望等に応えられる新しい防潮堤の紹介」、(3)農業・農村の振興に役立つ技術を対話形式で紹介するポスターセッション(20件)による技術講習、(4)現場で抱えている技術的課題に応ずる技術相談を実施しました。技術相談会では、現場技術者と農村工学研究所の担当研究者と熱心な討議が行われました。

問合せ先
農村工学研究所技術移転センター移転推進室 寺村伸一

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/55/2-4.pdf
 

 3)最新の農工研ニュースより

■水田の耕作放棄による流域の短期流出特性の変化を評価

中山間地帯の水田のもつ洪水緩和、水源涵養等の機能は、これまで多くの圃場スケールでの観測によって明らかにされています。農工研ニュース9月号では、耕作放棄を広域の国土保全機能の観点から評価するため、耕作放棄による流出特性の変化を分布型の流出モデルを用いて行った成果を紹介しました。この記事では、その成果をより理解するため、研究対象とした新潟県東頸城地域(上越市)の特徴を紹介します。

水利工学研究領域 水文水利担当主任研究員 吉田武郎

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/55/3-1.pdf

 

 4)農工研の動き

■平成26年度農業用ダム技術管理検討会を開催

10月22~23日に農工研において平成26年度農業用ダム技術管理検討会が本省主催で開催され、約65名が参加しました。検討会参加者は全国からダム・ため池の建設、改修、管理の工事課長、ダム保全管理担当課長などの農業土木技術者の方々です。

開催の主旨は農業用ダムの設計、施工及び管理に係る一連の作業を効率かつ適切に進めることを主眼に置き、国営農業用ダム建設事業所、土地改良技術事務所等のダム建設担当者の設計・施工技術、調査管理事務所等の保全管理担当者のダム管理技術及びマネジメント技術の向上を図ることにあります。

災害対策基本法に基づく防災指定公共機関としての農工研は、一旦震災の被害があると甚大な被害になりかねないダム・ため池の建設、改修、管理へも技術相談や技術支援の取組を今後とも続ける予定です。

問合せ先
農村工学研究所技術移転センター移転推進室 寺村伸一

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/55/4-1.pdf

■インターンシップ講習生(第三期)のつぶやき(その1)

農工研では、農村工学分野での将来の担い手育成の一翼を担うべく、農水省農村振興局との連携のもと、毎年この時期、三期に分けて農村工学分野の大学3年生のインターンシップを技術講習生として受け入れています。

本年の第三期(9月1日~9月12日)では、9名の講習生が、2週間にわたり研究業務の一部を任され、実務を体験しました。「トライする自分のフューチャーこの夏に!」という本年のキャッチフレーズそのままに、自分たちの将来を考える良い機会となったようです。彼らが社会人になっても、農村工学分野との関わりの中で応援していきたいと思います。

以下、講習生による感想文から一部を紹介します。なお、機構本部経由で受け入れた講習生のつぶやきは次回のメルマガにて紹介します。お楽しみに!

以下、講習生による感想文から一部を紹介します。

技術移転センター 移転推進室上席研究員 安中誠司

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/55/4-2.pdf

■水利工学研究会を開催

9月26日に水利工学研究会を開催しました。この会は水利工学研究の情報交換や研鑽のため、農工研、水利工学研究領域の研究者が毎年数回開催しているものです。当日は、水文水利担当の工藤亮二特別研究員から「気候変動と水資源開発がラオス国ナムグム川流域の水循環に与える複合的影響の評価」、水環境担当の濵田康治主任研究員から「カリフォルニアにおける再生水の農業・飲用水利用に関する最新事情」について話題提供と共に活発な討議が行われました。

水利工学研究領域 基幹施設水理担当主任研究員 常住直人

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/55/4-3.pdf


■石添容子さんが副部長を務める牛久市卓球部が文部科学大臣表彰

10月13日の体育の日、牛久市卓球部がその顕著な功績から、文部科学大臣より表彰されました。所長秘書の石添さんは、同卓球部副部長としてご活躍です。当研究所もここに記してお祝い申し上げます。

企画管理部 企画チーム主任研究員 竹村武士

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/55/4-4.pdf
 

 5)水土里のささやき

■農工研の技術研修紹介 ~正確な機能診断と高度な補修・補強技術!~【農村工学専門技術研修(施設保全管理)】

平成26年9月29日から10日間の日程で農村工学専門技術研修(施設保全管理)が開催され、北は北海道から南は沖縄県まで30名の参加がありました。

今年度は演習・実習の講義を更に増やしたことで、時間外に事例研究を行うなどハードな研修となりましたが、皆さんとても充実していたと好評を頂きました。

主なカリキュラムは、

  • 長寿命化技術の体系化
  • コンクリート構造物の保全管理
  • 高度な補修・補強技術の研究開発
  • ため池の機能診断と対策、パイプラインの破損事例の要因と対策
  • 限界状態設計法
  • 長期供用した農業用水路の機能診断技術
  • コンクリート構造物の構造機能診断調査実習
  • RCはりの曲げ破壊試験
  • 事例研究 他。

 

講義中に色々と予想外のトラブルもありましたが、受講生の皆さん仲良く、非常に良い雰囲気の中で研修は進み、あっという間の最終日となりました。

正確な機能診断と高度な補修・補強技術を身に付けた受講生の皆様、各現場での更なるご活躍を祈念しております!!!

技術移転センター 技術研修課教務指導チーム主査 井堀 祐司

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/55/5-1.pdf

 

 6)農村の草花

■微妙な“辛さ”がクセになる? 芥子(からし)より辛くない ~イヌガラシ~

越年生の春植物の中には、意外と秋にも花が見られることがあります。秋まで花が残るのではなく、春に発芽した個体が夏を越して秋涼しくなってから開花期を迎えるのです。カラシナの仲間のイヌガラシも、春の花ですが、秋口から晩秋までちらほら花を見かける植物の一つです。あなたも秋の野辺にイヌガラシの花を探してみませんか。

農村基盤研究領域 資源評価担当主任研究員 嶺田拓也

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/55/6-1.pdf

 

 7)研究者の横顔

■北川 巌(きたがわ いわお)

今回登場いただくのは、農地工学のスペシャリスト北川巌さんです。農業農村工学会研究奨励賞をはじめ、数々の受賞に輝く北川さんは、圃場整備技術の実用化に貢献するばかりでなく、地球温暖化対策など幅広い分野で活躍されています。
(他己紹介: 矢挽尚貴)

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/55/7-1.pdf

 

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