目 次
1)トピックス
■農工研の共同研究機関 株式会社北海コーキの後藤幸輝氏が『農林水産技術会議会長賞 民間企業部門』を受賞
2)イベント情報
■「農村研究フォーラム2015 -農村創生に貢献する産学官連携の推進- 」(開催報告)
■つくば3Eフォーラムに農業用水路で発電をテーマに出展
■平成27年度農業用ダム設計施工検討会を開催
■「高齢者や障がい者にやさしい農業技術」をテーマに研究会を開催します
■巨大浸水災害に対する面的防御のあり方に関する研究会を開催します
3)新技術の紹介
■貼るだけで簡単 ~新開発したコンクリート水路用の漏水補修テープを販売開始~
4)水土里のささやき
■農工研の技術研修紹介 ~学びの秋深まる~
5)最新の農工研ニュースより
■レーザ距離計による水路表面被覆工の摩耗測定手法
6)農工研の動き
■「平成27年度版の実用新技術成果選集」を農工研ホームページに掲載
7)研究ウォッチ
■石川県立大学において「コンクリート構造物の非破壊調査技術現地講習会」(SIP)を開催
■廣瀬主研著書「環境心理学的手法を用いた農村空間評価」出版
8)農村の草花
■晩秋の野辺にはかなげに揺れるあの花は淡い恋を想わせる? ~カントウヨメナ~
9)研究者の横顔
■友正 達美(ともしょう たつみ)
1)トピックス
■農工研の共同研究機関 株式会社北海コーキの後藤幸輝氏が『農林水産技術会議会長賞 民間企業部門』を受賞
11月18日(水)に、東京ビッグサイトにて平成27年度(第16回)民間部門農林水産研究開発功績者表彰が行われ、農工研の共同研究機関 (株)北海コーキの後藤幸輝氏の『簡単に施工できる穿孔暗渠機「カットドレーン」の開発』が農林水産技術会議会長賞 民間企業部門を受賞、表彰されました。この共同研究の成果、カットドレーンの特徴は独創的な穿孔方法にあり、資材を使わず迅速・簡単に施工できる穿孔暗渠機を開発し、実用化、普及していることが高い評価を得ました。この度の受賞まことにおめでとうございました。
企画管理部 業務推進室企画チーム長 竹村武士
(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/68/01-01.pdf
2)イベント情報
■「農村研究フォーラム2015 -農村創生に貢献する産学官連携の推進- 」(開催報告)
11月13日(金)に、東京大学弥生講堂一条ホール(東京大学農学部内)にて、農村研究フォーラム2015を開催しました。今回は「農村創生に貢献する産学官連携の推進」をテーマに、物質・材料研究機構における取組について青木芳夫外部連携部長から基調講演をして頂いた後、現状報告2件(農工研、農村振興局)および連携報告5件(農工研との共同研究機関)を頂きました。来場者数は計208名にのぼり、産学官連携の推進に向けての貴重な情報・意見交換の場として盛会のうちに終了しました。
企画管理部 業務推進室企画チーム長 竹村武士
(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/68/02-01.pdf
■つくば3Eフォーラムに農業用水路で発電をテーマに出展
つくば3Eフォーラムでの活動の一環として、農工研は、10月31日(土)から11月1日(日)につくば市内で開催された「つくばサイエンスコラボ2015 -科学と環境のフェスティバル- 」にて、開放クロスフロー水車模型を使って農業用水路での発電などの様子を展示しました。
資源循環工学研究領域 エネルギーシステム担当
上席研究員 後藤眞宏
主任研究員 上田達己
(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/68/02-02.pdf
■平成27年度農業用ダム設計施工検討会を開催
11月18日(水)~19日(木)に農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター会議室において、平成27年度農業用ダム設計施工検討会が本省農村振興局設計課主催で開催され、約50名が参加しました。検討会参加者は各地方農政局等の国営ダム建設、保全管理に関係する担当係長等の方々です。
本検討会では、農業用ダムの設計、施工に係る技術的課題への対応を主眼とし、農工研のダム関係研究者も含む参加者による討論を通じ、設計・施工技術、並びに情報の共有化を図り、ダム技術の一層の向上を図ることができました。
また、農工研の実験施設として、農村減災技術研究センターの「施設減災研究棟」などを紹介しました。
技術移転センター 移転推進室長 野道彰一
(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/68/02-03.pdf
■「高齢者や障がい者にやさしい農業技術」をテーマに研究会を開催します
12月3日(木)の午後、岡山大学農学部(岡山市北区)1号館1階第4講義室において、農林水産省農食研究推進事業で開発した技術を紹介する研究会を公開で開催します。安全で使い易く改良した農作業機械や省力的なかん水技術の説明、改良耕耘機や運搬車、農地へのアクセス改善機材の実演を行います。
席はまだ余裕がございます。参加ご希望の方は、
(1)氏名(2)所属等(3)連絡先(電話またはメールアドレス)をご記入の上
FAX:029-838-7609 または E-mail:projim25071[@]ml.affrc.go.jp
農村基盤研究領域 片山宛 までお申し込みください。
※メールを送信する際は[@]の[]をとってください。
農村基盤研究領域 石田憲治
■巨大浸水災害に対する面的防御のあり方に関する研究会を開催します
現在、南海トラフ巨大津波への早急な対応が求められてきています。農工研が開催する本研究会では、各分野にて取り組みが進んでいる巨大浸水災害に対する防災研究の研究成果の共有化を図るとともに、沿岸部の面的防御に注目した研究方向を明らかにします。詳細は以下のとおりです。
「日時と場所」
・12月14日(月) 13:15~17:15
・農村工学研究所防災研究棟緊急防災対策室
「基調講演」
・防護レベルを超えた津波の被害軽減策の考え方(仮)
静岡大学防災総合センター准教授 原田賢治
「話題提供」
・沿岸部の農業地域を活用した津波減勢対策の効果
農村工学研究所水利工学研究領域上席研究員 桐 博英
・建設海岸における津波減災対策(仮)
国土政策技術総合研究所 海岸研究室
・海岸林の津波減勢効果
森林総合研究所東北支所 野口宏典
・漁港海岸における津波減災研究の動向
水産総合研究センター水産基盤グループ長 大村智宏
話題提供後に「総合討論」と「平面津波実験見学(農工研内)」
※参加費は無料ですが、定員は40名となります。参加希望者は以下の連絡先へ電話またはメールにてお申し込み願います。事前登録制で先着順となっておりますので、ご注意下さい。
(連絡先)
水利工学研究領域 沿岸域水利担当
TEL:029-838-7567 E-mail:engan[@]ml.affrc.go.jp
※メール送信する際には[@]の[]をとってください。
3)新技術の紹介
■貼るだけで簡単 ~新開発したコンクリート水路用の漏水補修テープを販売開始~
農業用の小規模な用水路や排水路は、集落などの地域の共同活動によって守られてきました。戦後の高度成長期に整備されたコンクリート水路についても、近年、老朽化が問題となり、その変状の大部分を占めるとされる水路目地の損傷について、適切に補修等の対応を図ることが求められています。しかし、これまでの資材を用いた目地補修は、「簡単」「長持ち」「安い」といったニーズに十分に対応できませんでした。
農工研が日東電工(株)と共同で新たに開発した、施工が簡単で価格が安い小規模コンクリート水路用の漏水補修テープが発売になりました。この補修テープを利用することにより、農家や地域住民の方々が、専門の施工業者への作業委託等を行うことなく、自らの労力のみで水路の目地やひび割れからの漏水を補修することができます。
商 品 名:水路補修ブチテープ
設計価格:補修テープ900円/m、プライマー約300円/m
施設工学研究領域 施設保全管理担当主任研究員 水間啓慈
(関連資料)
(1)プレスリリースの概要
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nkk/057991.html
(2)施工手順(動画:2分43秒)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/68/03-01-02.wmv
(3)メーカーパンフレット
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/68/03-01-03.pdf
(4)漏水補修テープ製造元「日東電工(株)」ホームページ
http://www.nitto.com/jp/ja/
(5)漏水補修テープ販売元「東京インキ(株)」ホームページ
http://www.tokyoink.co.jp/
4)水土里のささやき
■農工研の技術研修紹介 ~学びの秋深まる~
秋の深まりとともに今年度の研修も大詰めを迎え、11月13日(金)、農村工学専門技術研修(土木地質・地すべり)の閉講式をもって今年度の農村工学技術研修全日程を終了しました。
今回は秋深まる中で実施した研修を3つご紹介いたします(関連資料をご覧下さい)。
- 農村工学専門技術研修(施設保全管理)
- 農村工学専門技術研修(経済効果2.実践演習)
- 農村工学専門技術研修(土木地質・地すべり)
今後、技術研修課では来年度の研修に向けた研修計画の策定作業に入っていきます。
研修計画の策定に当たっては今年の研修実績やアンケート結果を踏まえて研修内容の充実を図るとともに、現場の業務実態を考慮した研修時期や期間の設定も重要であるため検討課題も多いですがより多くの方に参加いただける研修を目指して頑張って参ります。
技術移転センター 技術研修課教務指導チーム主査 河田健太郎
(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/68/04-01.pdf
5)最新の農工研ニュースより
■レーザ距離計による水路表面被覆工の摩耗測定手法
本手法は、被覆水路の摩耗を測定するための手法です。摩耗が進行した開水路表面をセメント系被覆材で覆う無機系表面被覆工は、開水路の摩耗補修工法として一般的です。他方、その摩耗進行を高精度に測定する手法は確立されておらず摩耗進行特性に関するデータ収集は進んでいないのが現状です。
ここでは、開発した新たな摩耗測定手法について分かりやすく解説致します。
施設工学研究領域 施設機能担当上席研究員 中嶋 勇
(関連資料)
(1)農工研ニュース第97号(2頁目)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/68/05-01-01.pdf
(2)この研究をもっと深く理解するため8つのQ&A
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/68/05-01-02.pdf
6)農工研の動き
■「平成27年度版の実用新技術成果選集」を農工研ホームページに掲載
農工研の最新の技術成果を取りまとめた「実用技術成果選集」を農工研のホームページに掲載しましたので、次のURLにアクセスし、ご活用下さい。
技術移転センター 移転推進室長 野道彰一
(関連URL)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/jituyo/
7)研究ウォッチ
■石川県立大学において「コンクリート構造物の非破壊調査技術現地講習会」(SIP)を開催
11月16日(月)、石川県立大学において、同大学生物環境資源学部の森准教授と農工研が連携して「コンクリート構造物の非破壊調査技術現地講習会」を開催し、国、県、市町村、土地改良区、県土連、民間企業といった幅広い地元技術者及び県立大学の学生40名が参加しました。
この講習会は、府省横断的に実施している「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一環として開催したもので、技術講習とともに、アセットマネジメント運営技術者の人材育成手法の確立に向けた意見交換を行いました。
技術移転センター 教授 宮森俊光
(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/68/07-01.pdf
■廣瀬主研著書「環境心理学的手法を用いた農村空間評価」出版
本研究所の資源循環工学研究領域・エネルギーシステム担当の廣瀬主任研究員が執筆した著書「環境心理学的手法を用いた農村空間評価-評価グリッド法を用いた研究事例を通して-」が農林統計出版から出版されました。
本書は農村計画学会の創立30周年を記念した「農村計画学のフロンティア」シリーズの一環で、農村地域(農村計画学)の問題解決に貢献し、かつ、今後一層の普及することが期待されるような新鮮で有望なツールを取り上げ、研究者や実務者に広く普及することを目的として刊行されています。
廣瀬主任研究員は、自身の博士論文等の研究においても用い、農村空間の評価等に有効な環境心理学的手法の一つ「評価グリッド法」を実際の研究事例も交えて紹介しています。現場等で手法の適用も考慮して、分かりやすく丁寧な記述に心がけた本書は是非お薦めしたい次第です。
農村基盤研究領域 資源情報担当主任研究員 栗田英治
(関連URL)
農村計画学のフロンティアシリーズ
http://www.rural-planning.jp/?page_id=128
8)農村の草花
■晩秋の野辺にはかなげに揺れるあの花は淡い恋を想わせる? ~カントウヨメナ~
伊藤左千夫が千葉県松戸市矢切付近を舞台に少年と従姉との淡い恋を描いた「野菊の墓」。その中で主人公政夫が憧れの従姉、民子になぞらえた「野菊」とは、カントウヨメナのことかも知れません。ご存じだったでしょうか。
農村基盤研究領域 資源評価担当主任研究員 嶺田拓也
(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/68/08-01.pdf
9)研究者の横顔
■友正 達美(ともしょう たつみ)
大先輩の友正さんとは研究の情報交換会議で時折お見かけするぐらいの御縁ですが、優しい口調で時に鋭いコメントをされる実直な研究者という印象です。京都大学大学院を出られて中国農業試験場に勤務され、二十年程前から(組織の変遷はありますが)現農研機構農村工学研究所に勤められています。高温障害対策に関連した農業用水管理の課題のほか、震災以降は農地の除塩や用水の塩分濃度モニタリングの研究もされています。
(他己紹介: 白旗克志)
(自己紹介)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/68/09-01.pdf
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