農村工学研究部門

農村工学研究部門メールマガジン

メールマガジン第75号(2016年6月号)

目次

1)トピックス
■平成28年熊本地震に対するこれまでの対応
■6月初めの連続見学受入報告

2)イベント情報
■つくばエキスポセンターで特別展示をスタート

3)メッセージ
■新しくなった研究領域の紹介 ~農地基盤工学研究領域~

4)水土里のささやき
■農村工学研究部門の技術研修紹介 ~用水計画と河川協議~
■農村工学研究部門の技術研修紹介 ~経済効果I.概論~

5)最新の農工研ニュースより
■地震観測記録に基づき農業用フィルダムに地震動が与える影響を監視する技術

6)農村の草花
■クローバーの仲間は土を肥やして幸せ運ぶ!?~ムラサキツメクサ~

7)研究者の横顔
■向井 章恵(むかい あきえ)

1)トピックス

■平成28年熊本地震に対するこれまでの対応

農村工学部門では、これまで8班にわたり専門家16名を派遣し、その支援期間はのべ50人日以上にのぼります。

このうち第1班は、先遣隊として、ため池を中心とした農業施設や農地の被災概況を把握しました。引き続き、第2班は電気探査を含むため池の現地調査、第5班は農地の亀裂の現地調査を行い、その結果を現地にフィードバックしながら応急対策に係るアドバイスを行いました。第6班では、ため池の被災に関するフォローアップを実施しています。

なお、これ以外に、被災した園芸ハウスの状況確認と助言(第8班)や国営の農業用ダムを対象とした調査(第3,4,7班)も行いました。

今後とも、関係機関との密接な連携を取りながら被災地への技術支援を行っていきます。

企画管理部 災害対策調整室長 鈴木尚登

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/75/01-01.pdf

■6月初めの連続見学受入報告

農村工学研究部門(3月までは農村工学研究所)には団体での見学が毎月平均2組ほどあります。見学は通常あまり連続することはないのですが、今月初旬は高校、大学の学生・生徒、企業の技術者、海外からの研修生と土日をはさんで4日連続して見学者があり、担当者は嬉しい悲鳴をあげることになりました。

技術移転部 移転推進室交流チーム 小倉 力

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/75/01-02.pdf

2)イベント情報

■つくばエキスポセンターで特別展示をスタート

農研機構農村工学部門は、農業・農村や農村工学の研究について紹介する、つくばエキスポセンター1階の「サイエンスシティつくば再発見」のコーナーにて「未来の農村を創(つく)る研究」と題して特別展示を実施しています。

展示初日の6月1日には、展示開始の記念セレモニーとして、公益財産法人つくば科学万博記念財団代表理事・理事長(兼つくばエキスポセンター館長)田中敦様と国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究部門長山本德司によりテープカットが行われました。

技術移転部移転推進室交流チーム長 猪井喜代隆

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/75/02-01.pdf

3)メッセージ

■新しくなった研究領域の紹介 ~農地基盤工学研究領域~

この4月から「研究所」が「研究部門」に改称され、研究領域は5つから4つに再編し、研究領域の構成は研究室に当たる「担当」から「ユニット」に変更されました。今回から組織順にユニットと構成メンバーをご紹介する企画です。記念すべきトップバッターは、老舗の農地基盤工学研究領域の登場です。現場主義をモットーとする老若男女21名の精鋭たちをご紹介します。

農地基盤工学研究領域長 小林宏康

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/75/03-01.pdf

4)水土里のささやき

■農村工学研究部門の技術研修紹介 ~用水計画と河川協議~

6月6日(月)から17日(金)までの10日間の日程で、農村工学専門技術研修(用水計画と河川協議)を開催しました。本研修は、河川水などの利活用による用水計画や河川協議に係る専門知識を学ぶとともに、事例研究を通じて新たな水需要に対応できる企画力の養成を図るもので、用水計画の見直しやそれに伴う河川協議に係る実務を担当している技術者29名が受講しました。

技術移転部 技術研修室長 井上 裕

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/75/04-01.pdf

■農村工学研究部門の技術研修紹介 ~経済効果I.概論~

平成28年6月20~24日の5日間の日程で農村工学専門技術研修(経済効果I.概論)を開講し、全国各地から51名が受講しました。

当部門で実施する研修の多くは農業土木分野の技術的研修ですが、本研修は数少ない経済分野をテーマとする研修であるため、例年、農業土木以外の職種の受講者が多いのも本研修の特徴の一つです。

本研修では、農林水産省の実務担当者や当部門の研究者が講師を務め、農業農村整備事業全般の話に始まり、費用対効果分析の概要、総費用の算定方法、CVM等の効果計測手法の解説及び各種効果の概要等について講義が行われました。

研修生の中には実務として効果算定に携わる方も多く、講義中のみならず講義終了後も熱心に質問する受講生の姿が印象的でした。

今年度受講された皆様、各現場での更なるご活躍を祈念しております!

技術移転部 技術研修室教務指導チーム主査 河田 健太郎

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/75/04-02.pdf

5)最新の農工研ニュースより

■地震観測記録に基づき農業用フィルダムに地震動が与える影響を監視する技術

農業用ダムを対象として、微少な振動観測記録に地震波干渉法とよばれる解析手法を適用する事によって、ダム堤体の地震波伝播特性を高い頻度で評価する技術を開発しました。

施設工学研究領域 施設構造ユニット 黒田 清一郎

(関連資料)
(1)農工研ニュース第99号(2頁目)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/75/05-01-01.pdf

(2)この研究をもっと深く理解するための4つのQ&A
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/75/05-01-02.pdf

6)農村の草花

■クローバーの仲間は土を肥やして幸せ運ぶ!?
~ムラサキツメクサ~

この時期になると、道ばたなどに赤紫色の花をつけるクローバーの仲間、ムラサキツメクサがよく目立つようになります。このムラサキツメクサやシロツメクサは、四つ葉が幸せを運ぶだけでなく、緑肥や牧草としても優秀で、とくにヨーロッパ農業に欠かせない植物であることを知っていましたか。

水利工学研究領域 水域環境ユニット 嶺田拓也

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/75/06-01.pdf

7)研究者の横顔

■向井 章恵(むかい あきえ)

今月の「研究者の横顔」は西日本農業研究センターから異動されてこられた向井章恵さんです。向井さんは、以前農村工学研究所にお勤めになっていました。西日本農業研究センターでは、カンキツ生産研究グループで園地整備による土砂流出量の変化を予測する手法の開発について、取り組んでおられました。つくばでは、これからどのような研究をされるでしょうか。向井さんの今後のさらなるご活躍に期待が高まります。

(他己紹介: 三木昂史)

(自己紹介)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/75/07-01.pdf

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技術移転部 移転推進室 交流チーム