農村工学研究部門

農村工学研究部門メールマガジン

メールマガジン第80号(2016年11月号)

目次

1)トピックス
■通水中の農業用水路トンネルを点検できる無人調査ロボットがNARO RESEARCH PRIZE 2016を受賞
■大規模農地で適用可能な土壌凍結深制御による野良イモ対策技術が NARO RESEARCH PRIZE SPECIALIIを受賞
■増本地域資源工学領域長が高度な国際協力の達成に寄与した業績により「第4回食の新潟国際賞佐野藤三郎特別賞」を受賞

2)イベント情報
■アグリビジネス創出フェア2016に出展します(続報)

3)新技術の紹介
■普及成果情報の紹介(4)

4)水土里のささやき
■中課題(地域資源管理)の第4回研究会の開催
-外部ファシリテーターによる対話型ワークショップで新たな発想を探る!-

■第9回日韓共同シンポジウム、現地見学を開催
■MoU締結に向けたIrstea(フランス国立環境・農業科学技術研究所)訪問
■つくばサイエンスコラボ2016 科学と環境のフェスティバルに出展
■農村工学研究部門の技術研修紹介 ~経済効果II.実践演習~
■農村工学研究部門の技術研修紹介 ~中堅技術研修開講~
■農村工学研究部門の技術研修紹介~若手技術者の育成(その2)~
■見学報告(八千代松陰高校)

5)農村の草花
■秋の半自然草地に揺れる釣り鐘のような花はあの山菜!? ~ツリガネニンジン~

6)研究者の横顔
■関島 建志(せきじま けんじ)

1)トピックス

■通水中の農業用水路トンネルを点検できる無人調査ロボットがNARO RESEARCH PRIZE 2016を受賞

9月28日にNARO RESEARCH PRIZE 2016(※)の受賞式が行われ、普及成果情報「通水中の農業用水路トンネルを点検できる無人調査ロボット」が選定され、研究開発を行った農村工学研究部門施設工学研究領域森上級研究員、企画管理部渡嘉敷行政連携調整役、水利工学研究領域中矢上級研究員が表彰されました。

(関連資料)

※NARO RESEARCH PRIZEとは

農研機構の研究職員の研究意欲を高め、研究の活性化につなげるため、機構理事長が、前年度(今回は27年度)の主要な研究成果の中から、社会的、経済的、または学術的にインパクトの高い優れた研究成果を選定し、表彰するものです。

企画管理部 企画連携室企画チーム長 濵田康治

■大規模農地で適用可能な土壌凍結深制御による野良イモ対策技術がNARO RESEARCH PRIZE SPECIAL IIを受賞

9月28日にNARO RESEARCH PRIZE SPECIAL IIの受賞式が行われ、普及成果情報「大規模農地で適用可能な土壌凍結深制御による野良イモ対策技術」が選定され、研究開発を行った農村工学研究部門農地基盤工学研究領域岩田上級研究員が表彰されました。

(関連資料)

※NARO RESEARCH PRIZE SPECIALIIとは

農研機構の研究職員の研究意欲を高め、研究の活性化につなげるため、機構理事長が、第3期中期目標期間以前において創出された農研機構(旧農業生物資源研究所及び旧農業環境技術研究所を含む)の研究成果の中から、中長期的研究を経て、生産現場への普及や国民生活の向上に結びつくなど、日本農業・食品産業の技術の進歩、発展に大きく貢献した成果に対して授与するものです。

企画管理部 企画連携室企画チーム長 濵田康治

■増本地域資源工学領域長が高度な国際協力の達成に寄与した業績により「第4回食の新潟国際賞佐野藤三郎特別賞」を受賞

7月29日、東京プレスセンターで第4回佐野藤三郎記念食の新潟国際賞の受賞者が発表され、当研究部門の増本地域資源工学研究領域長が受賞しました。11月9日に新潟において受賞式及び受賞者の記念講演会が開催されました。

受賞内容は、低平地帯の排水改良、排水問題を検討し排水施設の最適規模研究では雨量計や排水施設の配置、規模計画手法を開発し、現場での計画管理に直結する技術開発に多数研究実をあげ、水田の洪水防止機能評価法の開発でも先駆的で高度の研究業績をあげたこと。

また、アジアモンスーン水田地帯にも対象を広げ、国際河川メコン河の研究では国内4研究機関を率いるリーダーとして世界的情報発信が可能な研究成果体制の構築を図り、研究成果を行政の事業実施指針・計画基準に反映させたことが高く評価されたものです。

(関連資料)

※食の新潟国際賞とは

食の新潟国際賞は、世界各国から食分野で活躍する個人・団体の推薦を受け、食分野において「世界にとって普遍的な価値を持つこと」「人々の暮らしを救う業績であること」などを原則に選考を進め、「本賞」「佐野藤三郎特別賞」「21世紀希望賞」の3賞からなっています。

企画管理部 企画連携室企画チーム長 濵田康治

2)イベント情報

■アグリビジネス創出フェア2016に出展します(続報)

来る12月14日(水)~16日(金)にかけて東京ビックサイト西4ホールにて開催される「アグリビジネス創出フェア」に農村工学部門からも出展する予定です。

出展内容等については、決まり次第メールマガジンでも紹介してまいりますので、ご期待下さい。

日時 平成28年12月14日(水)~16日(金) 10:00~17:00

場所 東京ビックサイト 西4ホール

http://agribiz-fair.jp/

農村工学部門の展示

農村工学部門は、「農地や農業施設を「つくる」、「まもる」そして農村の未来のために「せめる」農村工学技術」として展示ブース地域427にて、以下の内容で展示を行います。

「高圧パイプラインの管内圧力変動緩和装置」
「ジビエのどこにビジネスチャンスはあるのか?」

会場へ訪れた際は是非お立ち寄り下さい。

技術移転部 移転推進室交流チーム長 猪井喜代隆

3)新技術の紹介

■普及成果情報の紹介(4)

平成27年度の普及成果情報(行政・普及機関、効率試験研究機関、生産者、民間企業等にとって直接利用が可能で、普及が期待できる成果)を紹介いたします。今月は次の2つの成果を紹介いたします。

「微小振動観測記録に基づく農業用ダムの地震波電波特性の評価」

農業用フィルダムの微小な震動観測記録に地震波干渉法を適用することによって、農業用フィルダムの地震波伝播特性をより高い頻度で評価することができます。これにより貯水水位等の影響による変化など、供用中に生じる地震波伝播特性の変動をより高い頻度と再現性で監視できます。

施設工学研究領域 施設構造ユニット

(関連資料)
(1)紹介PDF
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/jituyo/all/pdf/02-03-06.pdf
(2)詳細な内容
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nkk/2015/15_087.html

「取水堰直下流の河床低下を防ぐマット工法」

農業取水堰は、取水の圃場への配水のため、河川中上流域に多いので、下流の河床低下が漸次、上流に波及し、護床の変形・破壊を生じます。そこで、河床低下等に対し農業取水堰下流の洗掘被害を防ぐマット工法を開発しました。

水利工学研究領域 施設水理ユニット

(関連資料)
(1)紹介PDF
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/jituyo/all/pdf/02-03-14.pdf
(2)詳細な内容
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nkk/2015/15_079.html

4)水土里のささやき

■中課題(地域資源管理)の第4回研究会の開催-外部ファシリテーターによる対話型ワークショップで新たな発想を探る!-

中課題(地域資源管理:責任者 増本隆夫 地域資源工学領域長)では、研究成果の着実な社会実装に向けて、参画する研究ユニットが持ちまわりで今年度研究会を開催しています。10月25日には第4回研究会が開催されました。第1部として、奥島里美農業施設ユニット長が農業施設のエネルギー活用、森淳技術移転部教授が生態系配慮の分野の社会実装に向けての方針を発表しました。第2部では、小笠原啓一産総研デジタルコンテンツグループ長にファシリテーターをお願いして、対話型の手法を適用したワークショップで、課題の検討のプロセスを体感しました。

水利工学研究領域 水域環境ユニット 山岡 賢

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/80/04-01.pdf

■第9回日韓共同シンポジウム、現地見学を開催

平成28年10月26日に韓国農漁村公社農漁村研究院(RRI)から4名の研究者を迎え、第9回日韓共同シンポジウムを開催しました。今回は、「汎用化水田や畑地のための生産基盤の整備技術」というテーマで、韓国側と日本側から3名ずつの話題提供のもと、活発な意見交換を行いました。

両国ともに少子高齢化の波が農村社会に押し寄せ、ICT技術の導入などが重要なテーマであること等を討論しました。また、27日には霞ヶ浦用水の基幹施設から圃場までの末端の施設まで現地を視察しました。

技術移転部長 小川茂男

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/80/04-02.pdf

■MoU締結に向けたIrstea(フランス国立環境・農業科学技術研究所)訪問

Irstea (National Research Institute of Science and Technology for Environment and Agriculture)は、職員数約1,550人で、フランス全国に9つの地域センターを持つ、環境・農業分野のフランス国立の研究機関です。そのIrsteaと地域資源関連分野での共同研究に関するMoU(了解覚書)の締結に向けた議論を行うため、増本隆夫地域資源工学研究領域長、上田達己上級研究員、中村真人主任研究員、吉田武郎主任研究員の4名が、2016年11月16日~17日の日程でフランス国アントニー市のIrstea本部を訪問しました。

地域資源工学研究領域 地域エネルギーユニット 中村真人

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/80/04-03.pdf

■つくばサイエンスコラボ2016 科学と環境のフェスティバルに出展

農研機構農村工学研究部門地域エネルギーユニットは、平成28年11月12日(土)および11月13日(日)につくばカピオ・大清水公園にて開催された「つくばサイエンスコラボ2016 / 科学と環境フェスティバル」に、「農村のエネルギーに触れてみよう」と題して出展しました。

地域資源工学研究領域 地域エネルギーユニット 三木昂史

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/80/04-04.pdf

■農村工学研究部門の技術研修紹介 ~経済効果II.実践演習~

平成28年10月24~28日の5日間の日程で農村工学専門技術研修(経済効果II.実践演習)を開講しました。

『経済効果』という言葉は物事の影響度を表す場合にもよく用いられ、テレビや新聞で話題になることが多いですが、土地改良事業においては事業そのものの妥当性に関わるものなるもので経済効果(事業効果)の算定は大変重要です。

本研修は、実在の地区をモデルにした架空の事業実施地区を題材にし、総費用及び各種効果額を算定する演習形式の研修です。研修期間5日間のうち4日が演習というハードなカリキュラムですが今年も全国各地から集まった25名の研修生が演習に挑みました。

今年度受講された皆様、各現場での更なるご活躍を祈念しております!!!

技術移転部 技術研修室教務指導チーム主査 河田 健太郎

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/80/04-05.pdf

■農村工学研究部門の技術研修紹介 ~中堅技術研修開講~

平成28年11月14~18日の5日間の日程で農村工学中堅技術研修を開講しました。今回の研修に参加された方の多くは30代ということで現場の『主力選手』が集まった印象でした。

5日間という限られた期間で座学や演習等に取り組み、数少ないグループワークの時間内で討議を重ね、課題研究発表資料をまとめ上げるところは見事で、講義中や課題研究発表会における活発な意見交換が大変印象的な研修でした。

今年度受講された皆様、各現場での更なるご活躍を祈念しております!!!

技術移転部 技術研修室教務指導チーム主査 河田 健太郎

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/80/04-06.pdf

■農村工学研究部門の技術研修紹介~若手技術者の育成(その2)~

10月25日(火)から12月9日(金)までの日程で、最も若い技術者を対象とした農村工学基礎技術研修(第2回)が実施されており、現在、国、道県庁に採用されてまもない実務経験が1~2年目程度の農業土木技術者19名が受講中です。基礎技術研修の実施は、今年度は8年ぶりに2回目を開催しており、若い人材を育成する機会が増えたことは喜ばしい限りです。

水理実験実習や土質試験実習では、学生時代の復習となる内容も多かったものの、仕事を経験してから行う実験は現場との臨場感が重なり、学生時代とはその理解度が全く異なるものであったと語る研修生が殆どでした。また、実験実習を通じて人間力を培っていると感じる場面も多く見られました。

技術移転部 技術研修室教務指導チーム長 加藤 孝

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/80/04-07.pdf

■見学報告(八千代松陰高校)

農村工学研究部門では、農村工学や農村工学研究部門の研究に興味のある方の見学を随時受け入れております。

今回は、つくばサイエンスツアーオフィスから農研機構に申込みのあった八千代松陰高等学校の皆様の見学の様子を紹介いたします。

技術移転部 移転推進室交流チーム長 猪井喜代隆

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/80/04-08.pdf

5)農村の草花

■秋の半自然草地に揺れる釣り鐘のような花はあの山菜!? ~ツリガネニンジン~

秋も深まる中、まだ暖かい地域では道ばたの草地のススキの陰に隠れてツリガネニンジンの釣り鐘のような花をまだ見つけることができるでしょうか。ツリガネニンジンは、いわゆる人の手が加わることによって維持されている半自然草地を代表する草花で刈り取りにも強い植物ですが、若い芽は山菜としても有名であることを知っていましたか。

水利工学研究領域水域環境ユニット 嶺田拓也

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/80/05-01.pdf

6)研究者の横顔

■関島 建志(せきじま けんじ)

関島建志さんは、水利工学研究領域沿岸域水理ユニットにて、災害時等における排水対策の研究に取り組まれています。これまで行政では長年にわたり、国内外におかれまして集落排水に係る業務に従事されてこられました。現在のご研究におかれましても、これまでのご経験をおおいに活かされることと思います。

(他己紹介: 武馬 夏希)

(自己紹介)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/80/06-01.pdf