農村工学研究部門

農村工学研究部門メールマガジン

メールマガジン第105号 (2018年12月号)

本年も農工研メールマガジンをご愛読いただき感謝申し上げます。職員一同、「頼りになる農村工学研究部門」を目指して調査研究に取り組んでいますが、その成果や情報を皆様に身近に感じていただけるよう記事を作成して参りますので、引き続きご愛読頂きますようお願いいたします。

技術移転部長 小川茂男

目次

1)トピックス
2)イベント情報
3)農村工学研究部門の動き
4)こんにちは農業農村
5)つれづれなるままに
6)海外を旅する人へ -海外渡航ベテランからの一言-
7)農村の草花
8)研究者の横顔
9)読者の声
10)編集後記

1)トピックス

■『ため池防災支援システムを開発-地震・豪雨時に、ため池の決壊危険度を配信-』「2018年農業技術10大ニュース」のトップを飾る

農林水産省農林水産技術会議事務局が選定する「2018年農業技術10大ニュース」に「ため池防災支援システムを開発-地震・豪雨時に、ため池の決壊危険度を配信-」が選定されました。

「2018農業技術10大ニュース」は、この1年間に新聞記事となった民間、大学、公立試験研究機関及び国立研究開発法人の農林水産研究成果のうち、内容に優れるとともに社会的関心が高いと考えられる成果10課題を農業技術クラブ(農業関係専門紙・誌など28社加盟)の加盟会員による投票を得て選定されました。

 技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

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■【プレスリリース】農業用ポンプ設備の突発的な故障停止を防ぐリアルタイム遠方監視システム -機械の血液「潤滑油」をオンライン診断-

運転中の大規模ポンプ設備の潤滑油を常時分析・評価することにより、ポンプの異常兆候をリアルタイムに検出する遠方監視システムを開発しました。異常データが発生すると設備管理者の携帯端末に自動で通知されることにより故障停止の危険性を察知できます。

  技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

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■【プレスリリース(お知らせ)】CSMT電磁探査法を用いた深層地下水調査マニュアル -沿岸域における効率的な深層地下水調査のために-

農研機構は、津波災害時や災害に備えた沿岸域の広域的な深層地下水水源調査を短期間で実施可能な調査手法を提案しています。今回、提案した手法のマニュアルを作成しました。

  技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

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2)イベント情報

■「SATテクノロジー・ショーケース2019」の開催 (お知らせ)

2019年1月29日(火)、つくば国際会議場において、「SATテクノロジー・ショーケース2019」(主催:(一財)つくばサイエンス・アカデミー(会長:江崎玲於奈))が開催されます。

ショーケースのねらいは、「つくばをはじめ首都圏で活躍する研究者・技術者が、最新の研究成果、アイディア、技術を持ち寄り、相互に披露し交流する、つくばならではの異分野交流の場を提供すること」にあります。

今回のショーケースでは、「AIが創るサステイナブルな未来社会」と題した特別講演を設定し、次世代のスマートコミュニティの形成、Society 5.0の実現を目指した「AI研究」に関する最新の成果と今後の展望についての情報をご紹介する予定です。

また、農村工学研究部門からは、ICT水管理に関する最新の研究成果として、水利工学研究領域の中矢哲郎上級研究員が「ICTを活用した圃場-土地改良施設連携型の水管理制御システム(iDAS)」(注目ポスター、機関推薦)を、農地基盤工学研究領域の坂田賢上級研究員が「水田の水管理を遠隔・自動制御化する圃場水管理システム」(一般ポスター)を発表する予定です。

ショーケースはどなたでも参加できます。多くの皆様のご来場をお待ちしております。

 技術移転部 移転推進室長 中野明久

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■アグリビジネス創出フェア2018へ出展(報告)

11月20日(火)~22日(木)の間、東京ビッグサイトにおいてアグリビジネス創出フェア2018が開催されました。農村工学研究部門からは、ため池防災支援システム、ICT水管理システム(圃場水管理システム & iDAS)、水利施設管理台帳システムのポスター展示と、水路の魚の棲みやすさ評価プログラムのマニュアルの展示を行いました。

 技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

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■平成30年度多面的機能支払交付金事例研究会(報告)

10月30日(火)~31日(水)、滋賀県内において、多面的機能支払交付金事例研究会が農林水産省と滋賀県等の協力により開催され、水域環境ユニットの嶺田上級研究員、渡部主任研究員、水文水資源ユニットの宮津研究員とともに研究成果の展示を行いました。

 技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

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■第16回環境研究シンポジウムに出展(報告)

平成30年11月13日(火)一橋大学一橋講堂において第16回環境研究シンポジウム「スマート社会と環境-豊かな暮らしと環境への配慮の両立を目指して-」が開催され、農村工学研究部門より圃場水管理システムの研究成果を出展しました。

 技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連資料)

3)農村工学研究部門の動き

■農村工学研究部門と水資源機構との技術情報交換会を開催(報告)

11月26日、農村工学研究部門において、水資源機構との技術情報交換会を開催しました。

 企画管理部 企画連携室行政連携調整役 森 充広

(関連資料)

■大日本農会平成30年度第2回農業懇話会(報告) -「ため池の防災・減災対策」について-

12月13日、大日本農会 平成30年度第2回農業懇話会において、当部門から「ため池の防災・減災対策」について発表を行いました。

 企画管理部 災害対策調整室長 梶原義範

(関連資料)

■AGU 2018 Fall Meetingに参加して(報告)

12月10日~14日ワシントンDCで開催された「AGU 2018 Fall Meeting」に参加しました。AGU(American Geophysical Union;アメリカ地球物理学会)のFall Meetingは年に一度開催されます。この学会の中で最も大きなイベントで、5日間にわたり研究発表や各種イベントが実施されます。サンフランシスコで毎年実施されていましたが、去年と今年はアメリカ合衆国の首都のワシントンDCで開催されました。

 農地基盤工学研究領域 畑整備ユニット上級研究員 岩田幸良

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4)こんにちは農業農村

■ため池百選(15)山形県東村山郡山辺町(玉虫沼)

ため池百選とは、農業者の減少、高齢化の中で管理が難しくなりつつあるため池について、その歴史や多様な役割、保全の必要性を国民の皆様に理解いただく契機とするため、農業用の水源として秀でた特徴を有する全国のため池100地区を「ため池百選」として選定したものです。

このメルマガでは北から順番に紹介していますが、第15回目の今回は山形県東村山郡山辺町にある「玉虫沼」を紹介します。

玉虫沼は応永年間(14世紀末)を起源とする県内最古のため池とされています。沼の岬には、沼のシンボルともいうべき「笠松」(樹齢300年のアカマツ)が植えられ、その根元には石の玉虫大明神の祠が祭られており、また「玉虫姫」という沼にまつわる民話が伝えられています。

沼は、宝暦12年(1762年)の大修復をはじめ幾度となく改修が行われて現在に至っており、今も農地約120haを潤しています。また、沼の水は地元集落49世帯や、小・中学校など74件の飲料水にも使われています。
 (農林水産省ホームページより引用)

 企画管理部 企画連携室企画チーム 浜田善幸

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■麦の播種

11月下旬、緑肥としてライムギの播種をしました。この麦は春になって草丈が伸びたら青いうちに土中にすき込む緑肥として栽培します。すき込むことにより有機物の供給およびセンチュウなどの害虫の抑制をする効果があります。

 本部技術支援センター 業務第3科総括作業長 小松崎隆男

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5)つれづれなるままに

■とあるおっさんの四方山話
 第12回 住んでみないとわからない -熱帯はいつも暑いとは限らない-

気候というのは、その場所に暮らしてみないと実感できないものだと思う。筆者は、北海道に始まって、関東、瀬戸内、本州の日本海側、そしてタイ東北部で暮らした。気象データは、農業農村工学に携わる者にとって基礎的なデータの一つであり、気温を例にすれば高い低いはデータから理解できる。しかし、その温度を暑いと感じるか寒いと感じるかは別の問題である。その土地の気候、住んでみないと感じとれないことが多い。

 「とあるおっさん」

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6)海外を旅する人へ -海外渡航ベテランからの一言-

■第1回「地下鉄の乗り方には、お国ぶりがあって、各国いろいろな方法がある。ロシア、カナダ、香港、ドイツ、フランス」

 「とあるかかしさん」

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7)農村の草花

■来年は心清らかに過ごせますように お正月の縁起物 ~ウラジロ~

2枚の葉が対に出て、葉裏が白いことから夫婦ともに白髪になるまで長生きするようにとお正月の鏡餅の飾りなどにも使われる縁起物は、ウラジロというシダ植物です。葉の裏の白さは心の清廉さも表しているとされます。来年も読者の皆様にとって、心静かに穏やかに過ごせる年になりますように。

※今年も一年間ご愛読ありがとうございました。さて、「農村の草花」は、4月までしばらく休載させていただきます。また暖かくなるころにお会いいたしましょう。それでは、みなさまよい年をお迎えください。

 水利工学研究領域 水域環境ユニット上級研究員 嶺田拓也

(関連資料)

8)研究者の横顔

■坂田 賢(さかた さとし)

坂田さんは今年の4月に北陸研究拠点から農工研に戻られました。北陸にいた5年間も含めて、水田に纏わることを一貫して研究しています。私は一緒に研究を行うようになり日が浅いですが、坂田さんの真面目さと優しさにはいつも助けていただいており、そのような性格が現在の農業をどうにかしたいという気持ちや研究にも反映されているのだと思います。

さて、坂田さんは"研究者の横顔"に2回目の登場だそうです。是非とも、前回(2012/5)も合わせてお読みください。

 (他己紹介)鈴木 翔

9)読者の声

読者の声を紹介します。

■農工研メルマガ『農村の草花』を読んで

世界初!? 「『ひっつきむし』を日本語で詠った俳句」を、古文と現代文の折衷で思いつきました。

「ひつきむし 服から取るのに ひと苦労」 (一句)

 伊藤志織 様より

(関連URL)

■自然豊かな農村工学研究部門『地面にバラが咲いている』を読んで

「とあるおじさん」に頼んで、メルマガに掲載された木を一枝、鋸で切って頂きました。その枝を自宅に持ち帰り玄関に飾るクリスマスの飾りを主人と一緒につくってみました。飾ってみると玄関の印象が一変したのにびっくりしました。

 MSさんより

10)編集後記

■今日は本当に12月なの?

12月4日、3ケ月に一度の血液の定期検査のため東京(虎ノ門)に出かけました。

虎ノ門から霞が関経由で銀座まで歩いて行く途中で日比谷公園を通ったら多くの人が紅葉の写真を撮っていました。12月だと言うのに昼間の気温がなんと23度、びっくりしました。しかし、紅葉がとても綺麗だったので何枚も撮影してしまいました。なかには半袖でいる人もいました。かく言う私は、毎年10月末までは半袖でいるし、真冬でも短パン、半袖で体育館で運動しています。

この日は、14.6km(24,568歩)歩きました。体重が少し減っていれば良いのですが?

 とあるおじさん

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