要約
アルファルファタコゾウムシは低温により産卵が抑制されるため、侵入期以降の気温から増殖適期を推測できる。
- キーワード: レンゲ、アルファルファタコゾウムシ、産卵、温度
- 担当: 鹿児島農開セ・大隅支場・環境研究室
- 代表連絡先: 電話0994-62-2001
- 区分: 九州沖縄農業・病害虫
- 分類: 研究・参考
背景・ねらい
アルファルファタコゾウムシは鹿児島県では11月頃からレンゲほ場内に侵入し、12月から2月が主な産卵期とされる。本種は室内試験では1雌当たり約1,200個産卵した事例の報告があり、増殖率が極めて高い。しかし、野外での幼虫密度は年次間差および地域間差が大きく、その要因として気温などの気象要因の関与が考えられる。そこで、産卵に及ぼす温度の影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
- 本種を各温度条件で飼育したところ、7°Cで産卵雌率が50%に低下し、5°Cでは産卵数が僅かとなり、本種の産卵は低温により抑制されることが認められる(表1)。
- レンゲほ場から採集した雌成虫の蔵卵数は、平成20年2月上中旬の7°C以下となった時期に減少しており(図1、図2)、本種は耐寒性が強いとされるものの、蔵卵は低温により抑制される。
- 鹿屋市串良町の平均気温は、冬期間において7°C以下となる期間は短く(図2)、本種の発生に及ぼす冬期の気温の影響は小さいと推測される。
成果の活用面・留意点
- 発生地域において侵入後の平均気温を用いて増殖期間を推定可能になり、防除対策の基礎資料として利用できる。
具体的データ
その他
- 研究課題名: アルファルファタコゾウムシの蔓延防止技術の開発
- 予算区分: 指定試験
- 研究期間: 2006~2010年度
- 研究担当者: 林川修二、嶽崎研