要約
露地栽培における中晩生カンキツ「麗紅」の商品性の高い果実は2L級以下であり、その果実を生産するための摘果指標として満開80日後及び100日後の果実横径が利用できる。
- キーワード: 麗紅、横径、果実階級、摘果
- 担当: 長崎農技セ・果樹・カンキツ研究室
- 代表連絡先: Tel:0957-55-8740
- 区分: 九州沖縄農業・果樹
- 分類: 技術・参考
背景・ねらい
「麗紅」は果皮が滑らかで橙色が濃く、優れた果実特性を有するが、果実の大きさにバラツキが大きく、そのため外観や品質の変動が大きい傾向にある。そこで、商品性の高い果実階級を明らかにするとともに、目的とする階級の果実を多く生産するための摘果指標を作成する。
成果の内容・特徴
- 3L級以上の大果では果面が粗く、外観が劣る。M級以下の小果では果実中の酸含量が高い傾向がある(表1)。
- 満開62日後と収穫時の横径の相関はr=0.33(2008年)、r=0.27(2009年)と低く、摘果指標とはなり得ない(データ略)。
- 満開83日後と収穫時の横径の相関はr=0.88(2008年)、r=0.67(2009年)、満開99日後とはr=0.78(2009年)といずれも有意に高く、その時点の横径から収穫時の横径を精度よく予測できることから摘果指標として利用できる(図1、図2、表2)。
成果の活用面・留意点
- 樹齢6年生(2009年時点)の樹を供試し、満開80日後に着果量を15果/m3に調整した結果である。
- 果実肥大は着果の多少や気象条件に左右されるので、摘果指標となる果実横径は園地や年により変動することがある。
具体的データ
(林田 誠剛)
その他
- 研究課題名: 気候温暖化に対応したカンキツ栽培技術の開発
- 予算区分: 県単
- 研究期間: 2009~2013年度
- 研究担当者: 林田 誠剛