要約
マンゴーの加温栽培で、満開40日後から収穫までの終日及び夜間の最低温度を時期及び時刻によって慣行より低くする変夜温管理と、満開40~90日後の最低温度を慣行より終日低くする変温管理では、収穫期は約2週遅れ、重油消費量が2~3割削減できる。
- キーワード: 気温、マンゴー、変温管理、夜温管理
- 担当: 鹿児島農総セ・果樹・栽培研究室
- 代表連絡先: Tel:0994-32-0179
- 区分: 九州沖縄農業・果樹
- 分類: 技術・参考
背景・ねらい
マンゴーでは、近年の原油価格高騰に起因する燃料価格上昇による生産コストの増加が課題となっているが、単に夜温を下げるだけでは、やに果の多発による品質低下につながるため、燃料消費量を削減しながら、やに果の発生を抑制する温度管理法を確立する。
成果の内容・特徴
- 10a当たり換算の重油消費量は、2年の平均で、変夜温では26%、変温では21%、節減できる(表1、表2)。
- 開花盛期から収穫盛期までの日数は、慣行と比較して、2年の平均で、変夜温では14日、変温では11日多く要し、収穫時期は遅くなる(表3)。
- 収穫後の糖度、クエン酸、赤道部果皮色(a値)は慣行と同程度となる(表4)。
成果の活用面・留意点
- 本技術の導入については、重油の価格および使用量と出荷時期が遅れることによる販売価格への影響を勘案して判断する。
- 重油消費量は、加温開始時期、ハウスの条件、暖房機の性能や気象条件によって変わる。
- やに果の発生率は、変夜温および変温管理とマルチ被覆の併用下で、慣行と同等以下になる(データ略)。
- 変夜温管理するためには、多段式サーモスタットが必要である。
- 降雨が続くなど、ハウス内湿度が高くなる場合は、やに果発生防止のため、重油節減にこだわることなく加温機を作動させるなどの対応が必要である。
具体的データ
(矢野 浩平)
その他
- 研究課題名: かごしまブランド推進のためのマンゴーの低コスト生産技術の開発
- 予算区分: 県単
- 研究期間: 2008~2009年度(2009~2011年度)
- 研究担当者: 矢野 浩平、松島 健一