要約
クリの変質果の発生が多い条件は、熊本県主要品種の早生・中生品種、収穫の後期、日射が強く照射する樹冠外部、毬皮まで日焼けした毬果である。
- キーワード: クリ、変質果、発生要因
- 担当: 熊本県農研セ・球磨研
- 代表連絡先: Tel:0966-45-0470
- 区分: 九州沖縄農業・果樹
- 分類: 技術・参考
背景・ねらい
近年のクリでは、出荷前の果実外部は健全であるが出荷後に果実内部が変質している場合があり、市場評価を落とす問題となっている。変質果の発生要因には、病原菌による報告があるが、果実生育期や収穫期の気温上昇も要因の一つと考えられる。従って、品種の違いや収穫時期の違いなどが変質果の発生に及ぼす影響について明らかにする。
成果の内容・特徴
- 変質果の発生は、「丹沢」「杉光」「筑波」「銀寄」「利平栗」(熊本県主要品種の早生、中生品種)で多く、また収穫期の後期に多い傾向にある(表1)。
- 日射が強く照射する樹冠外部の果実で発生が多い(表2)。
- 毬皮が日焼けにより褐変しているものに発生が多く、褐変していないものは発生しない(表3)。
成果の活用面・留意点
- 変質果の調査方法は、収穫期に落毬した外観が健全な果実を室温で2日間保存し、果実を切断して変質の有無を調査した。
- 毬皮の日焼けが多い年は、変質果の発生に注意が必要である。
具体的データ
その他
- 研究課題名: クリ腐敗果の発生要因の解明と発生軽減技術の開発
- 予算区分: 県単
- 研究期間: 2005~2007年度