九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

ブドウ「巨峰」の長梢せん定無核栽培における果房管理技術

要約

ブドウ「巨峰」の長梢せん定無核栽培における房作りは、おおむね長さ90cm以上の新梢について、花穂先端3cm程度になるよう整形するとよい。花房整形は、軸長6cmに30~35粒程度着粒させると約350gの良果房が確保できる。

  • キーワード: ブドウ、無核「巨峰」、房作り、花穂整形、新梢長
  • 担当: 大分農林水産研果樹・落葉果樹担当
  • 代表連絡先: Tel:0978-37-0149
  • 区分: 九州沖縄農業・果樹
  • 分類: 技術・参考

背景・ねらい

ブドウ「巨峰」の無核栽培は、「ピオーネ」の無核栽培と同様に花穂先端3~3.5cmを基準に花穂整形を行っているが、「ピオーネ」に比べ果粒肥大が劣り、販売形態に応じた果房管理技術が十分確立されていない。そこで、「巨峰」の無核栽培の果房管理技術を検討する。

成果の内容・特徴

  • 果粒肥大は果房軸長が5~7cmの範囲内では、差は認められない(表1)。
  • 果実品質は、果房軸長による差が認められないが、果房重が400gを超えると果皮色および糖度が劣る傾向がある(表1)。
  • 花穂整形は、花穂先端3cmとすれば果房整形前の果房軸長は概ね7cm以上となり、果房整形により果房軸長6cmの房が確保できる(図1)。
  • 房型は1粒重が10g程度の場合、果房の軸長が5cmでは30粒、6cmでは35粒、7cmでは40粒程度着粒させると良果房となる(図2)。
  • 果房重は花穂整形時(開花初期)の新梢長が長いほど大きくなる傾向があり、90cm以上あれば概ね350g以上の房となる(図3)。

成果の活用面・留意点

  • 着粒数は果粒の肥大状況によって密着しすぎないように適宜加減し、軸長6cmで350gを目標とする。
  • ブドウ「巨峰」の無核栽培の指標として活用できる。
  • 本試験は着果負担を県基準である1.2t/10aとして実施した。
  • 無核化及び肥大処理については、満開直後GA25ppm+ホルクロルフェニュロン2.5ppm、満開10~12日後GA25ppmとした。

具体的データ

表1

図1

図2

図3

その他

  • 研究課題名: 無核大粒系ブドウの高品質・安定生産技術
  • 予算区分: 県単
  • 研究期間: 2005~2008年度