要約
ニホンナシ「幸水」に満開50日後から成熟期まで黒色ポリエステル繊維製袋を掛けると果皮の着色は早まり、収穫盛期が4~5日促進される。
- キーワード:ポリエステル繊維製袋、ニホンナシ、成熟期
- 担当:長崎農技セ・果樹研究部門・ビワ・落葉果樹研究室
- 代表連絡先: Tel:0957-55-8740
- 区分:九州沖縄農業・果樹
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
ニホンナシ「幸水」は8月上中旬が成熟期であるが、開花期やその後の気温等の影響により中旬以降に盛期を迎えることもある。しかし、「幸水」の需要が高いのは盆前で盆明けには価格が急落することから、収益を確保するために確実に盆前出荷する必要がある。そこで熟期を前進化するための果実袋について検討した。
成果の内容・特徴
- 黒色ポリエステル繊維製袋を掛けると赤パラフィン果実袋および無袋より収穫盛期が約5日早まる(図1)。
- 黒色ポリエステル繊維製袋を掛けると果皮色および地色は無袋より着色が進んでいる。また果皮色調にも差が見られる。果肉硬度や糖度、pHは袋掛けの有無による差は認められない(表1)。
成果の活用面・留意点
- ポリエステル繊維製袋は、直径約5cm、長さ15cmの円筒状で伸縮性があり、カラータイ等で果梗部に固定した。赤パラフィン果実袋は縦約20cm、横16cmの一重袋を使用した。いずれの果実袋も満開約50日後から収穫期まで被袋した。
- 満開35~40日後にジベレリンペーストを処理した結果である。
具体的データ
その他
- 研究課題名:温暖化に対応した落葉果樹の生育調整技術と低コスト施設栽培の開発
- 予算区分:県単
- 研究期間:2007~2011年度
- 研究担当者:田中実、林田誠剛、松浦正