要約
携帯型硝酸イオン計で測定したハクサイ、レタスの硝酸イオン濃度値は、イオンクロマトグラフ法で測定した数値との相関は高いが測定値は10%程度高くなる。ホウレンソウについては、ハクサイ、レタスと比較して相関はやや低く、測定値は20%強高くなる。
- キーワード: 硝酸、携帯型硝酸イオン計、ハクサイ、レタス、ホウレンソウ
- 担当: 長崎農技セ・土壌肥料研究室
- 代表連絡先: 電話0957-26-3330
- 区分: 九州沖縄農業・生産環境(土壌肥料)
- 分類: 技術・参考
背景・ねらい
野菜に含まれる硝酸イオンの問題が指摘され、硝酸イオン濃度を低減する生産技術の開発が実施されてきた。一方で、畑や店頭などの現場においても野菜に含まれる硝酸イオンを簡易、安価に測定する技術開発が求められている。そこで、新たに開発され、測定が迅速で簡便な携帯型硝酸イオン計について、現場での適応性を明らかにするために、レタス、ハクサイ、ホウレンソウを供試して標準法であるイオンクロマトグラフ法で測定した値と比較し、測定精度を検証し、現場での適応性を明らかにする。本装置は、イオン電極法により作物体の硝酸イオン濃度を測定するもので、100~9900ppmの測定レンジがあり、多くの場合、試料の希釈が不要である。
成果の内容・特徴
- レタスにおける硝酸イオン測定では、イオンクロマトグラフ法と携帯型硝酸イオン計での測定値との間には、傾き1.09で決定係数(R2)=0.94の高い相関が得られる(図1)。
- ハクサイでは、傾き1.13で決定係数=0.96の高い相関が得られる(図2)。
- ホウレンソウでは、決定係数=0.86とやや低く、傾きが1.23と高い(図3)。
成果の活用面・留意点
- 供試した携帯型硝酸イオン計はH社より20年度から市販されている。
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測定に用いたレタス、ハクサイ、ホウレンソウは一部所内で栽培したものもあるが、大部分が店頭から購入したものであり、産地、品種は様々である。
具体的データ
その他
- 研究課題名: 硝酸態窒素簡易測定技術確立事業
- 予算区分: 受託
- 研究期間: 2007年度
- 研究担当者: 藤山正史