九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

熊本県の春播きトウモロコシ有望品種「34N84」「タカネスター」「SH4681」

要約

「34N84」「タカネスター」「SH4681」は、「セシリア」並みの多収性および耐病性を有し、熊本県における早生の春播きトウモロコシ品種として有望である。

  • キーワード: 熊本県、トウモロコシ、春播き、早生、奨励品種選定
  • 担当: 熊本県農業研究センター・畜産研究所・飼料研究室
  • 代表連絡先: Tel:096-248-6433
  • 区分: 九州沖縄農業・草地・畜産(草地飼料作)
  • 分類: 技術・普及

背景・ねらい

熊本県における春播きトウモロコシのうち早生品種について、特定品種への偏りを防ぎより多彩な新たな優良品種の早急な普及を図るため、数年以内に市販開始予定の新品種を中心に品種比較試験を行い、早生の春播きトウモロコシの代表的な優良品種である「セシリア」を標準品種として、これと同等以上の能力を有する品種を選定する。

成果の内容・特徴

  • 「34N84」、「タカネスター」および「SH4681」は、「セシリア」と同等の乾物収量が期待でき、早生の春播きトウモロコシ品種として有望である(図1)。
  • 早生品種「34N84」、「タカネスター」および「SH4681」の播種から収量調査期までの日数は、「セシリア」より早いか同時期で、本県において4月初旬に播種した場合、「セシリア」と同時期の7月下旬から8月初旬に収穫できる(表1)。
  • 「34N84」、「タカネスター」および「SH4681」のごま葉枯病の発生程度は、「セシリア」と同程度である(表2)。
  • 「34N84」、「タカネスター」および「SH4681」の紋枯病の罹病率は、「セシリア」と同程度である(表2)。

成果の活用面・留意点

  • 熊本県における早生の春播きトウモロコシ品種として普及を推進するため、奨励品種とする。
  • 耐倒伏性については、3ヵ年の試験期間中に倒伏の発生が見られなかったため、明らかではない。
  • 紋枯病が頻発するほ場においては、連作を避けること。

具体的データ

表1

表2

図1

(原野 幸子)

その他

  • 研究課題名: 飼料作物の優良品種の選定
  • 予算区分: 県単
  • 研究期間: 2008~2010年度
  • 研究担当者: 原野 幸子、坂本 夏美、中山 統雄、森 和彦、稲田 司、古閑 護博