九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

ニンニクオイル混合飼料を活用した採卵鶏の免疫機能強化

要約

生ニンニクから抽出したニンニクオイルを配合した混合飼料を、成鶏用配合飼料に0.2%添加給与することで、鶏体の自然免疫や獲得免疫が活性化する。

  • キーワード: 採卵鶏、ニンニク、自然免疫、獲得免疫
  • 担当: 佐賀畜試・中小家畜部・養鶏研究担当
  • 代表連絡先: Tel:0954-45-2030
  • 区分: 九州沖縄農業・畜産草地(家畜)
  • 分類: 技術・参考  

背景・ねらい

鶏自身の抗病性を高めて健康な状態に保つことは、疾病への感染リスク軽減が期待できるとともに、安全で安心な鶏卵の生産のために不可欠な要素である。
そこで、ヒトの免疫力を高めることが報告されている身近な食材であるニンニクを採卵鶏に給与した際の免疫機能に及ぼす影響について検討する。

成果の内容・特徴

  • 市販の成鶏用配合飼料にニンニク0.2%を添加給与しても産卵成績に差は認められない(表1)。
  • 自然免疫機能の指標として、単球・マクロファージが異物に対して放出する一酸化窒素の産生量で判定したところ、ニンニク0.2%区が有意に一酸化窒素の産生量が多く、異物排除能力が優れる(図1)。
  • 獲得免疫機能の指標として、左右の肉垂を用いた抗原刺激による腫脹差(遅延型過敏反応)で判定したところ、全測定時でニンニク0.2%区の腫脹差が大きく、抗原刺激8、16時間後には有意差が認められ、ニンニク給与により免疫機能が活性化する(図2)。

成果の活用面・留意点

  • 本試験で用いたニンニク(生ニンニクから抽出したニンニクオイルをとうもろこし末や小麦粉と混合した飼料)は630円/kg(税込み)であり、給与する際は攪拌機等で配合飼料と混合する必要がある。

具体的データ

表1

図1

図2

その他

  • 研究課題名: 地域天然未利用資源を活用した健康な鶏づくり及び特色ある卵づくり試験
  • 予算区分: 県単
  • 研究期間: 2005~2008年度