九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

カンショ茎葉サイレージの品質は良好であり黒毛和種繁殖雌牛に利用できる

要約

 細断型ロールベーラおよびスタックサイロで調製したカンショ茎葉サイレージの発酵品質は良好である。また、ビートパルプやフスマを添加することにより、発酵品質、可消化養分総量(TDN)、消化性および採食性が向上する。

  • キーワード : カンショ茎葉、サイレージ、発酵品質、TDN、黒毛和種繁殖雌牛
  • 担当: 鹿児島農セ畜試・企画環境飼料部・草地飼料研究室
  • 代表連絡先: Tel:0995-48-2121
  • 区分: 九州沖縄農業・畜産草地(草地飼料作)
  • 分類技: 術・参考

背景・ねらい

  • カンショ茎葉サイレージの飼料成分は、粗蛋白質は1番草出穂期のイタリアンサイレージ、ADF及びNDFは再生草開花期のアルファルファサイレージと同程度である(表1)。
  • 細断型ロール調製したカンショ茎葉サイレージ発酵品質のV-scoreによる評価は可~良で、BP(ビートパルプ)を5%添加することで、V-scoreが有意に高くなる。スタックサイロ調製したサイレージの発酵品質は、BP添加区が最も良い(表2)。
  • 黒毛和種繁殖雌牛および緬羊による消化試験から求めたカンショ茎葉サイレージのTDNは、茎葉単体サイレージで48%であるが、BPやフスマを5~10%添加することで9~18ポイント向上する。また、各成分消化率についても、8~29ポイント向上する(表3)。
  • 黒毛和種繁殖雌牛によるカンショ茎葉サイレージの採食量は、細断ロール調製区では茎葉単体よりBP添加サイレージが有意に高い(表3)。

成果の活用面・留意点

  • カンショ茎葉サイレージを給与する際、飼料設計時の資料として活用できる。
  • カンショ茎葉への残留農薬については、現在データ蓄積中であるため、給与する際は分析し、残留のないものを給与する。

具体的データ 

表1

表2

表3

その他

  • 研究課題名: 地域特性を活かした粗飼料生産利用技術の確立
  • 予算区分: 県単
  • 研究期間: 2005年~2007年度