九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

スイートピーの土壌溶液(NO3-、K+濃度)が第1小花までの花梗長の長さに及ぼす影響

要約

スイートピー栽培土壌溶液中のNO3-濃度と第1小花までの花梗長(以下、ステム長)には、49~654ppmで推移した生育後半期(1月1日~3月31日)において有意な負の相関が認められる。K+濃度とステム長には、38~315ppmで推移した生育前半期(11月1日~12月31日)において有意な負の相関が認められる。

  • キーワード: スイートピー、土壌溶液、第1小花までの花梗長、ステム長
  • 担当: 宮崎総農試・花き部
  • 代表連絡先:Tel:0985-73-7094
  • 区分: 九州沖縄農業・野菜・花き
  • 分類: 研究・参考

背景・ねらい

スイートピーの産地では、栽培期間中の土壌溶液濃度をコントロールすることにより、スイートピーの切り花の出荷基準である第1小花までの花梗長(以下、ステム長)の長さを確保するための施肥管理が行われているが、栽培圃場の土壌条件がことなるため、土壌溶液濃度とステム長の関係については不明な点が多い。

このため、灰色低地土での栽培期間中の土壌溶液のNO3-、K+の濃度が、ステム長に及ぼす影響について明らかにする。

成果の内容・特徴

  • 土壌溶液中のNO3-濃度とステム長は、濃度が31~1413ppmで推移した生育前半期(11月1日~12月31日)の切り花については有意な相関は認められないが、49~654ppmで推移した生育後半期(1月1日~3月31日)までの切り花では有意な負の相関が認められる(図1)。
  • 土壌溶液中のK+濃度とステム長は、濃度が38~315ppmで推移した生育前半期(11月1日~12月31日)の切り花で有意な負の相関が認められるが、濃度が22~35ppmで安定した生育後半期(1月1日~3月31日)の切り花では認められない(図2)。

成果の活用面・留意点

  • 試験場花き部ハウス灰色低地土での結果である。成果の活用に当たっては、栽培圃場の土壌溶液の推移と第1小花までの花梗長の長さについて調査を行ない、施肥の判断基準とすること。

具体的データ

図1

図2

注1、注2

(宮崎県総合農業試験場)

その他

  • 研究課題名: みやざき特産花きの低コスト生産技術の確立
  • 予算区分: 県単
  • 研究期間: 2007~2008年度
  • 研究担当者: 中岡 直士、中村 薫、郡司 定雄、福元 孝一