要約
秋どりキャベツ栽培において、おがくず牛ふん堆肥を5t/10a施用することで、慣行(24.4kg/10a)の3割の減肥が可能になり、基肥に動物質有機肥料、追肥に硫安を利用することで特別栽培に準じた施肥が可能である。
- キーワード: キャベツ、おがくず牛ふん堆肥、減肥、特別栽培
- 担当: 佐賀上場営農セ・畑作経営研究担当
- 代表連絡先: Tel:0955-82-1930
- 区分: 九州沖縄農業・野菜・花き
- 分類: 技術・普及
背景・ねらい
佐賀県上場地域は肉用牛の飼育頭数が多く,おがくず牛ふん堆肥を化学肥料に替わる有機質資源として利用するため、おがくず牛ふん堆肥を利用した場合の窒素減肥量を明らかにするとともに、化学肥料由来窒素を慣行の5割以下とする特別栽培認証制度に対応した施肥技術を確立する。
成果の内容・特徴
- 秋どりキャベツ栽培において、おがくず牛ふん堆肥5t/10a施用条件下では、窒素施肥量を3割減肥(N17.1kg/10a)しても、慣行施肥(N24.4kg/10a)と同等の収量が得られる(図1)。
- おがくず牛ふん堆肥5t/10a施用した場合、窒素施肥量を3割減肥した条件でも、基肥で動物質有機肥料をN7.3kg/10a、2回の追肥で硫安N9.8kgを施用する特別栽培に準じた施肥は、慣行施肥と同等の収量、品質が得られる(表1)。
- また、カリの施肥量が慣行の9割減となることで、収穫終了時の土壌中交換性カリは慣行施肥より低くなり、堆肥施用によるカリの過剰集積が抑えられる(データ略)。
- 特別栽培に準じた施肥の肥料コストは13,174円/10aであり、慣行施肥の18,531円/10aより約3割安くなる(表2)。
成果の活用面・留意点
- 本成果は、化学合成農薬と化学肥料を慣行の半分以下とする特別栽培認証制度に活用できる。
- 夏まき秋どりの作型で活用し、基肥に有機質肥料、追肥に硫安を定植後2週間後と結球開始前に施用する。
- おがくず牛ふん堆肥の化学性は表3のとおりである。
- 本成果は、試験開始前の5ヶ年間に堆肥を毎年5t/10a施用しタマネギを栽培した圃場で得られたものである。
具体的データ
その他
- 研究課題名: 家畜排泄物活用等による葉茎菜類(タマネギ・キャベツ)の減化学肥料・減農薬栽培技術の確立
- 予算区分: 県単
- 研究期間: 2002~2006年度