九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

秋ギク「神馬」の開花遅延対策

要約

秋ギク「神馬」の冬春期の開花作型において親株が日最低気温10°C以下に20日以上遭遇した親株からの穂を、挿し芽期間の最低夜温を24°Cで管理すると、17°Cで管理した場合に比べて開花が早まり、開花遅延を防止できる。 

  • キーワード: 神馬、開花遅延、挿し芽
  • 担当: 宮崎総農試・花き部
  • 代表連絡先: Tel:0985-73-7094
  • 区分: 九州沖縄農業・野菜・花き
  • 分類: 技術・普及 

背景・ねらい

現在の秋ギク主力品種「神馬」は、冬春期の開花作型において、他の作型に比べて開花が遅延することが問題となっている。そこで、親株時低温遭遇後の挿し芽期間の最低夜温が生育、開花に及ぼす影響について検討する。 

成果の内容・特徴

  • 挿し芽期間の最低夜温が24°Cの区が17°Cの区に対して、消灯から発蕾までの日数が5日、発蕾から収穫までの日数が8日早くなる。
  • 消灯後に増加した茎長は、挿し芽期間を最低夜温24°Cで管理した区が短くなる。
  • 消灯後に増加した葉数についても、挿し芽期間を最低夜温24°Cで管理した区が少なくなる。

成果の活用面・留意点

  • 供試した「神馬」の系統は宮崎県の選抜系統である「神馬66」である(低温開花性系統ではない)。
  • 挿し芽期間以外は同一の温度管理である。
  • 親株時に10°C以下の低温に20日以上遭遇後、採穂した。
  • 定植以降の最低夜温は、定植から消灯まで12°C、消灯後1ヶ月15°C、その後13°Cという管理である。

具体的データ 

表1

 耕種概要 

その他

  • 研究課題名:園芸作物の生理生態解明による安定生産技術の確立
  • 予算区分: 県単
  • 研究期間: 2007年度(2006年~2010年度)